大海原にカヤックで漕ぎ出して、自分で魚を見つけ、自分で釣る。安全面も、釣れるも釣れないも、すべてが自分の責任。それがカヤックフィッシングです。
「このカヤックフィッシング入門講座」は、カヤックフィッシングのビギナーに向けて、有益な情報やノウハウをお届けしていきます。
3回目となる今回は、「釣りモノについて」です。
(文・写真=赤澤克哉)
私は2004年にカヤックフィッシングを始めて以来すっかりのめり込み、気がつけば仕事にまでなっているわけですが、たまに「20年近くやっていて、飽きたりしませんか?」と聞かれることがあります。ズバリ、まったく飽きません!
何年やっても飽きない大きな理由が、「カヤックからはさまざまな魚種がねらえる」点。しかも年々、新鮮な対象魚や釣法も生まれています。この探求の旅は、カヤックが漕げる限り一生続いていくことでしょう。
では、どんな対象魚がカヤックからねらえるのか。以下は、カヤックフィッシングで釣れる魚の一例です。
岸釣りの延長線上のカヤックフィッシングといえばやはりシーバス。2006年秋ごろ、東京湾で最盛期に1日で100尾以上のシーバスが釣れたことがありました。これは、私がそれまで岸釣りで釣るシーバス1年分の数でした(現在は当時より釣れなくなっています)。
釣りの難易度が高く、食べても美味しいヒラメはかなり人気の魚種。近年、徐々にカヤックからねらって釣れるようになってきました。
マゴチは、ヒラメよりねらって釣りやすい魚。独特の首振りファイトがエキサイティング。薄造りにポン酢が最高です。
カヤックフィッシングにおいて、クロダイやキビレも身近に潜む好ターゲット。特に50センチオーバーのクロダイは「年なし」と呼ばれ、ひとつの目標です。
岸釣りでは場所取りから熾烈な人気のアオリイカのエギング。カヤックではのんびりねらえます。
東京湾奥部でヒットしたイナダ(ブリの幼魚)。青ものも、よい季節には岸近くまで回遊します。
青ものはブリ系、カンパチ系、ヒラマサ系の3系統が存在します。写真は長崎県・平戸遠征で釣れたヒラマサ。
マダイはタイラバ、インチク、ひとつテンヤ、メタルジグなどなど、さまざまなアプローチでねらえて奥が深いターゲットですね。
淡水のブラックバス釣りは、オーバーハングの下に入り込め、ウィードの上もスイスイ進めるカヤックの利点を大いに活かせる魚種のひとつです。
地域によってはカヤックから水深200〜300メートルオーバをねらう深場の釣りも盛り上がりを見せています。キンメダイやアカムツは超高級魚ですよね。
ひとつテンヤにヒットしたのはまさかのアンコウ。なにがヒットするかわからないから、カヤックフィッシングはオモシロイ!
ということで、カヤックフィッシングのターゲットは無限大です。日本に生息する魚は、ほぼカヤックからねらうことができると思います。
ぜひ、一緒に楽しみましょう!
※本記事は『カヌーワールド』VOL.24の連載「カヤックフィッシング虎の穴」から抜粋したものです。併せてバックナンバーもぜひご覧ください。
※カヤックフィッシング入門講座/#01
「カヤック、PFD選びについて」
※カヤックフィッシング入門講座/#02
「パドル選びとアクセサリー類について」
(著者プロフィール)
赤澤克哉(ホエール)
千葉県市川市のカヤックフィッシングショップ「kayak55.com」スタッフ。カヤックから釣れる魚種ならなんでもねらう。子育て奮闘中のアラフィフカヤックアングラー。JSPA(日本セーフティパドリング協会)シットオンアドバンストインストラクター。Bluestormフィールドテスター、Palmフィールドテスター。
■ kayak55.com
千葉県市川市北方町4-2094
TEL:047-711-7640
http://www.kayak55.com/
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