【カヤックハウツー】基本の「き」 #01/“乗れている”か否か

2020.11.07

基本スキルを身につけることこそが、安全なパドリング上達の近道ではないかと思います。
カヤックの基本は、あくまでも「漕ぐ」ことではなく、「乗る」ことです。不安定な乗り物であるカヤックは、漕ぐために体を大きく動かしても乗っていられるか? が重要です。
操船スキルを得るためには、「カヤックに乗れている状態」を作ることが必須です。

(文・写真=嘉藤暖博)

 

■カヤックに乗る姿勢

○ 中立姿勢

× 前傾姿勢

× 後傾姿勢

ローテーション(体をひねってパドルを漕ぐ行為)やリーン(艇を傾けること)がやりやすい「中立姿勢」が正解。腹背筋が弱いと、「後傾姿勢」になりがちだが、沈の際、PFD に浮力でカヤックに体が押しつけられ、脱艇しづらくなるリスクも。

 

■理想的なフットレストの位置


フットレストが正しい位置にあるときの姿勢。足首の角度は約90度。足裏の母指球あたりをフットレストに乗せると軽く膝が曲がり、膝を少し起こすと二―ブレイスに膝が当たる状態が目安だ。

 

■初級者にありがちなフットレストポジション


フットレストが近すぎると窮屈な姿勢になり、効率的なローリング運動が行いにくくなる。

 

■ ローテーション運動の確認




バウを12時方向に見立てて(写真上)、2時の方向(写真中央)、10時の方向(写真下)に、それぞれ尻からひねっていく。慣れないうちはシートに買い物ビニール袋を敷いて座ると、尻が滑ってひねりやすくなる。

 

■ 浅いリーンの保持



 過度にカヤックを傾けることよりも、浅いリーンを維持してローテーション運動ができることが重要。ポイントは、肩とパドルシャフトは海面に対して平行、体の正中線は海面に対して垂直にすること。 

 

■リーンの陸上練習



片方の尻に体重を乗せ、上体は水平にしてバランスをとる。バランスボールの上でやるのも効果的。


※本記事は『カヌーワールド』VOL.16の連載「カヤッカーのためのリスクマネジメント教室」から抜粋したものです。バックナンバーおよび最新刊もぜひご覧ください。

 

(著者プロフィール)
嘉藤暖博(かとう・あつひろ) 日本セーフティーカヌーイング協会( JSCA )公認カヌースクール BLUE HOLIC 代表。JSCA 安全委員会委員。福岡県北九州市出身の50歳でカヤック歴は30年。趣味は料理とバックカントリースキー。春~夏は北海道小樽でカヤックガイド、秋は九州沖縄方面で釣りとカヤック、冬は山ごもりでバックカントリースキーという生活を送る。
http://www5c.biglobe.ne.jp/~b-holic/


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