エコ魂炸裂!ソーラーカタマランにカイトを揚げる!

2022.02.10

ソーラー発電の電動モーター駆動カタマランボートにカイトをくっつけてしまえ! さすれば、さらにエコであろう! そんな、エコロジーのアイデアが大渋滞したサイレントヨット社のサイレント60。

この最強のエコボートの謎に迫ります! 

そもそも、大型商船の航行にカイトセールを補助的に使用するというアイデアは10年ほど前からあった。実用化されていないところを見ると、まだまだ問題はあるのかもしれないが、しれっとデモ走行を成功させてしまったのが、スペインはマヨルカ島の造船所、サイレントヨット社。60ftのソーラー航行カタマラン、サイレント60に9~13㎡のカイトセールを揚げて帆走! 電動モーターを完全にオフにした状態で4~5ktを記録した。スクリューの抵抗を減らす程度にモーターを回した実験では、6~7ktに速度が上がった。

その仕組みを見てみましょう。 

 

 

普通にラグジュアリーなサイレント60。●全長:60ft/●ソーラーパネル:42枚/●電動モーター:340kWh×2基(E-POWER+仕様)

 

 

上部はすべてソーラーパネル! 42枚のソーラーパネルと286kWhの電動モーターを装備

 

 

気持ちのいいフライブリッジ。ここにもテーブルが! 筆者がカタマラン・ラブ人間のため、内装外装の紹介にしばしお付き合いください(笑) 

 

 

コクピットからメインキャビンを見る。ギャレーは左手前、ヘルムステーションは右奥。美しい配置。60ftもあると、かなりでっかいです!

 

 

フォアステートルーム。片舷まるまる1部屋にして、オーナーズルームにしちゃう贅沢もあり。よく「家より広い!」というほめ言葉を聞くけど、60ftのカタマランを購入できる方のご自宅は、そりゃもう、もっと広いに決まっています 

 

 

このままではただのカタマラン紹介になってしまう!
では、肝心のカイトセーリングを紹介!!

これがアップするカイト。セールエリアは9~13㎡と、風域に合わせて複数あり

 

 

バウに設置したマスト(ボラード)にカイトをつなぐ。バウからカイトを出していく。おそらくダウンウインドにて

 

 

カイトアップ! カイトの操作はプロポを使用。8の字パンピング!

 

 

艇上ではあんなに大きく感じたカイトが、空高く上がり、小さく見える!

 

 

航行中のサイレント60を真上から見る。力強い引き波です!


 

そもそもソーラー発電で航行する超エコなサイレント60に、さらにカイトセールを付けてしまおうという発想が、ずるい。悲しいことに帆走効率を考えると、マストを立てたセールよりもカイトのほうが上ということは、さまざまなデータや実験から判明しているので、サイレント60は迷わずカイトを採用した。サイレント60は、これまでに42枚のソーラーパネルと286kWhの電動モーターを装備し、16日間で大西洋横断を成功させている。これに、カイトセールの補助を使えば、さらなる記録短縮も望めるだろう、という作戦だ。  

モーターカタマランがカイトを付けて速くなるなら、一般的なセールボートにもバウからカイト揚げれば・・・という空想をしたが、はっきりいって何が何やらややこしすぎるので、このアイデアは心のなかだけに留め置くことにします。 

 

風の力だけで走る。カイトも、もちろんセールボートのひとつ。ヨットってエコなんですよ!

 

サイレント60の帆走動画はコチラ

↓↓↓

 

 

サイレントヨットのサイトはコチラ

 

(文=Kazi編集部/中村剛司 写真=Silent Yachts)

※関連記事は月刊『Kazi』2021年2月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ

 


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