晴天に恵まれた12月最初の日曜日。今年で19回目の開催を数え、今やすっかり湘南の風物詩として知られる「湘南国際マラソン」が開催された。
西湘バイパス西大磯IC付近をスタートしたランナーたち。心地よい潮風を感じながら湘南の海沿いを走るコースは、ランナーたちにはとても心地よいものだろう。今年は実に20,802人のランナーが参加した(フルマラソン:20,802人、ファンラン10km:4,332人、ファンラン2km:709人、ラン&ウオーク1.4km:59人)。
この大会は、2022年に世界初となる「ゴミを出さないマラソン大会」を目指して大きくリニューアル。従来は給水において約50万個の紙コップやプラカップが使い捨てされていたが、代わりにランナーがペットボトル(マイボトル)を使って給水するという仕組みを導入。その結果、かつては11,000kgを超えていたゴミの総量は、昨年は3,049kgとなり、なんと8,048kgの削減に成功した。
この取り組みはその後、他のマラソン大会にも着実に広がっている。そんななか、来年の20回大会を前に、湘南国際マラソンがまた新たな一歩を踏み出した。
“湘南をみんなで楽しむ”をコンセプトに、“誰もがどこかで参加できるスポーツ大会“を目指し、今年は海にもフィールドを広げたプレイベント「カヌーやサップでレースしてみよう」が企画された。
湘南といえば、マリンスポーツの中心地として誰もが知っている場所。せっかくそんな海を目の前に見ながら走るコースが採用されているのだから、海でも盛り上がらずにいるのはもったいない。
マラソンと並行して行われたこのイベントは初の試み。上の写真をご覧いただくと、陸上の道路には大勢のランナーが走っている姿がお分かりいただけるだろう。
今回は1人乗りアウトリガーカヌー6艇、6人乗りアウトリガーカヌー1艇、ソロサップ14艇、ビッグサップ1艇(3人)の合計22艇29人が参加。ランナーに海から声援を送りつつ、平塚沖までパレードパドリングを楽しんだ。
12月とは思えない心地よい陽気と晴れ渡った空の下、ランナーが一歩一歩前へ進むのと同じように、一漕ぎ一漕ぎ航跡を延ばしていく。美しい富士山を背に、とても素晴らしいパドリング日和となった。
防水ケースに収納したスマートフォンと、捜索支援デバイス「ココヘリマリン」を、海上イベント参加者の全員が装着。これによって、万が一の事故や緊急時にも迅速な位置特定や救助活動が可能となる。
上写真の女性が右足首に着けているのが、専用のケースに入ったココヘリマリン。誰がどこにいるかを、主催者が常に把握することができた。
当日は風はさほど強くなかったものの、南からの大きなうねりの残るコンディション。主催者側では安全に配慮し、技量に応じて参加艇の数をかなり絞った。
それでも富士山をバックに、色とりどりのアウトリガーカヌーやサップが一団となってコースの沖を並走する様子を見ていると、これがもっと増えていたら壮観だっただろうと感じずにはいられない。今までにない、陸と海がコラボレーションした新たなイベントが産声を上げたわけだ。
20回大会となる来年の開催日は、12月7日(日)の予定。今回海を走ったアウトリガーカヌーやサップだけでなく、次回はヨットやボート、ウインドサーフィン、シーカヤック、あるいはオープンウオータースイミングなど、あらゆるマリンスポーツへと輪が広がっていけば、夢のような景色が広がるだろう。
湘南の海に、今までに見たこともない新たな風物詩が誕生するはずだ。
(文=安藤 健/舵社 写真=落合明人/舵社[海上]、湘南国際マラソンPR事務局[陸上] 取材協力=ゴールドウイン[ヘリーハンセン])
(問い合わせ)
湘南国際マラソン事務局
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