【水路を航く】#51/東京都大田区・海老取川/運河の桜とお稲荷さん
東京都港区田町付近から神奈川県・横浜の大黒ふ頭まで続く京浜運河の途中に位置する海老取川。
全長約2キロと短いその川は、、河口部で多摩川と合流し、東京湾へと注ぎ込む。 川の東側には日本の空の玄関口、羽田空港があり、西側には、京急沿線の駅周辺を中心とした昔ながらの町並みが続く。
川沿いは水辺の散策路になっており、特に桜の木々が花を咲かせる春は、合流する多摩川の土手とともに気持ちのいい散歩コースとして人気がある。川の西側、多数のキツネ像と狭い間隔で連なる鳥居が特徴的な穴守稲荷神社は“羽田空港から最も近い神社”として、航空業界の人々も多く参拝に訪れる。
(トップ画像説明)
海老取川にある都営の係留施設にて、塀を乗り越えて張り出す枝に咲き誇る桜たち。移ろう季節の華やかな一瞬を切り取ることができた
羽田空港と都心を結ぶモノレールが川沿いを走る。モノレールから眺める水路と桜の景色もいいものだが、川岸からの桜と水路とモ ノレールも秀逸な構図。長い一脚を使い、 高めの目線から撮影した
江戸時代に羽田一帯の治水のために建立された穴守稲荷神社。京急空港線、穴守稲荷駅の駅名の由来にもなっている。敷地内の稲荷山から撮影した
■穴守稲荷 TEL:03-3741-0809
朱色に塗られた鳥居が幾重にも重なっている奥之宮 の千本鳥居。くぐった先には小高い稲荷山がある
境内にはキツネがたくさん。この地に飛行学校があっ た大正時代、練習生が油揚げを献じていたとのこと
神社にお参りしたら、江戸前料理に欠かせぬ アナゴとともに地酒を一杯としゃれこもう。
穴守稲荷駅近くのろばた焼きの店「千世(ちよ)」。全国の珍しい地酒をうまい肴(さかな)とともに楽し める同店人気の一品は、東京湾でとれたアナゴを使った「江戸前穴子の天ぷら」
■千世 TEL:03-3744-1590
日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
第51回は、『ボート倶楽部』2023年4月号に掲載された、東京の水路で見た桜の景色をお届けしました。
(※本記事の取材は2022年の3月と2023年の1月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)
(文・写真=舵社/山岸重彦)