その名を聞いたことはあるけれど、仕組みを聞かれたらちょっと困る。それがウインドベーン。モーターなどの人工的動力を一切つかわない自動操舵装置です。
今回、海ガールの矢口あやはさんが、そのウインドベーンに挑戦します!
神奈川県・横浜港の懐かしの桟橋付きレストラン「タイクーン」が、「Re:Journal(リ・ジャーナル)」となって生まれ変わったと聞いたあやはさん。横浜ベイサイドマリーナの鞆 幾也さんのヤマハ26マイレディー〈Kanaloa〉に乗せていただき、ウインドベーンの仕組みを学びながらリ・ジャーナルを目指します。
まずは桟橋でウインドベーンを仮設置してもらい、その仕組みを学びますが・・・。かなり難しい!
浮桟橋側に立って、今一度ウインドベーンの仕組みをおさらい。風圧板=ベーンが風を受けて水流板を動かし、水流板がスイングする力をティラーに伝えます・・・。
海上の安全な場所まで出たらウインドベーンを設置します!
折り畳み式の水流板を降ろす。自動ロックシステム
フレームとティラーを接続。これもねじ込み式で簡単
風圧板=ベーンを装着して完成です!
セールアップも一人できます
・機走で進む。ウインドベーンが自動で風位に立ててくれる。これは簡単
鞆さん作成の3DCGで「FD VANE」の作動の様子を見てみよう。分かりやすいように、機走状態でバウが風位を保持し続ける位置にハンドルをセットした状態で解説!
先に解説した動作の仕組みは、ハンドルを風位に向けた状態。ハンドルを回せば、クローズホールドやビームリーチの走りを再現できるのです!
軽風時に最も安定するビームリーチで走ってみる。風に合わせてスイ〜♪
ハンドルを真横にセット。これで真横から風を受け続けるように舵が自動操作されるのだ
セールトリムは、当然ですが人間がやります(笑)。そこがウインドベーンの楽しいところ
わずかな風をつかんで力強くビームリーチを走るヤマハ25マイレディー。オートパイロットとは一味違った楽しみがそこにあった
電気もガソリンも使わず、完全オートマチックでクローズホールドを保持するウインドベーンのFD VANEさん。もう、“さん付け”で呼びたくなります!
ウインドベーンのタッキング!
なんとウインドベーンはタッキングやジャイビングもできてしまう。その方法を見てみよう! クルーはあまりやることがありません(笑)。
ハンドルを90 度回し、反対タックのクローズホールドにセット
風圧板が風を捉え、ゆっくりとラフィングし始める。ジブはそのまま
旋回力が弱いので、裏ジブをしっかりあててベアアウェイさせる
新しいタックになったらジブを入れ替えてタッキング終了!
3ノット程度の風域でもしっかりと真ランをキープするウインドベーン。まじですごい! スピンポールをジブに使い、観音開きに挑戦。かなり安定しています!
文句も言わずきちんと働くウインドベーン。愛おしくなってきた!
やばい! ウインドベーンを楽しんでいたら誌面がなくなった! Re:Journalのハナシは次回!
(文=Kazi編集部/中村剛司 写真=舵社/山岸重彦)
※関連記事は、月刊『Kazi』2023年2月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ
矢口あやは
Kazi誌にて連載「矢口あやは、海ガールはじめました!」執筆中。6月14日、大阪生まれ。ライター、ときどきイラストレーター。旅行誌やカルチャー誌を中心に、グルメ、歴史、美容などのジャンルで活動。生物が好きで2014年に狩猟免許取得。2020年に1級ボート免許取得、さらに2021年に3級海上特殊無線免許取得。夢はヨットで世界一周。
ブログ:https://ayaha-yaguchi.amebaownd.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/ayaha614/
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