みなさんは、第37回アメリカズカップに挑戦するイタリア代表チーム、ルナロッサ・プラダ・ピレリのAC40のカラーリング&デザイン、見ましたか? まじですごくないですか?
これまでのヨットのイメージをよい意味でブレイクしちゃう、超斬新なデザイン。プラダのテキスタイルによく見られる、赤、白、黒の幾何学模様の雰囲気もある、おっしゃれ~なカラーリングです。 とはいえ、車業界などにある擬装ラッピング(ボディデザインがばれないようにほどこす擬装)ともとれる幾何学模様。だとしても、それをここまでおしゃれにするのはさすがプラダといえましょう。
その進水式に登場したはの、ミウッチャ・プラダ。プラダのゴッドマザーと呼ばれるデザイナー、言わずと知れたプラダの創始者、マリオ・プラダの孫です。
(タイトル写真=photo by ANDREA PISAPIA | カリアリで開催されたルナロッサ・プラダ・ピレリのAC40、進水式の様子)
ミウッチャ・プラダがAC40のバウ(船首)にシャンパンをバシャーン! それをパトリツィオ・ベルテッリ(左から3人目)が笑顔で見届けます。なんかすごいシーンだなあ
photo by LUCA BUTTO
ちなみにアメリカズカップとは、ヨット界最高峰のレースで、1851年から続く世界最古のスポーツトロフィー。多くの富豪たちがこの栄誉を求めて巨額の富を注ぎ込む、悪魔のような魅力を持ったレースイベントです。古くは、紅茶王で知られるサー・トーマス・リプトンや、ボールペンを普及させたBIC社のマルセル・ビックも、この魅力に取りつかれたひとりでした。
近代では、プラダのパトリツィオ ・ベルテッリをはじめ、スイスの実業家エルネスト・ベルタレッリやオラクルの創業者ラリー・エリソン、不動産王アラン・ボンド、果てはイギリス王室などなど、世界の富豪トップ10に入るVIPたち、はたまた王国が国を挙げてアメリカズカップ=銀杯(銀製の水差し)を求めて戦ってきました。
そして驚くことはもうひとつ。このアメリカズカップの優勝賞金は・・・なんと0円! VIPたちが求めるのはお金ではなく「栄誉」なのです。
これがアメリカズカップ=銀杯。170年以上前の世界最古のスポーツトロフィーである。1851年当時の価値は、わずか100ギニー(現在の価値で500万円ほどだったといわれる ※諸説あり)。この銀の水差しを奪うため、富豪たちは、何十億円、はたまは何百億円という資金を投入するのである
photo by SailingShots by Maria Muiña / AC37
前から見るとこんな感じ。左右に出ているポニョの足みたいなやつは、ダガーフォイル(水中翼)。これで船体を浮かせて帆走します・・・。詳しい話はヨット・ボートの専門誌、月刊『Kazi』を読んでください!
photo by ANDREA PISAPIA
何度見てもすごいカラーリングです(笑)
photo by CARLO BORLENGHI
などなど、まじですごいスポーツイベント、アメリカズカップ。次回の第37回大会はスペイン・バルセロナで開催。2023年秋ごろの開催を予定しています(2022年11月末に日程発表予定)。
プラダのおしゃれのヨットも爆走する、アメリカズカップ。意外とおもしろいですよ♪
(文=Kazi編集部/中村剛司)
※関連記事は月刊『Kazi』2022年12月号(11/5発売)に掲載予定。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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