アブソルート|BOATING GUIDE 2021

2021.06.25

アブソルートは北イタリアのピアチェンツァに造船所を構え、年間約120艇のモーターヨットを自社で一貫生産している。現在のラインアップは47フィートから73フィートまでの計12モデル。
大きな特色は、おもな船内造作を構築してから船体内に設置・接合するISS(Integrated Structual System)工法。多軸構造グリッドで補強された船体は剛性が高く、低振動・低騒音を実現している。またこの工法は、船内外の空間を有効活用を可能にすることにもつながっている。

(文=舵オンライン編集部)

※タイトル写真はNAVETTA 64

 

ABSOLUTE NAVETTA 64

アブソルート・ナベッタ64

アブソルートのラインアップには、「フライブリッジ」と「ナベッタ」の2シリーズがある。ナベッタは、燃費性能に優れ大容量の燃料タンクを備えたロングレンジクルーザーで、48、52、58、64、68、73の5モデルが用意されている。

2020年春に登場した最新モデルが、「ナベッタ64」だ。スタイルは従来のナベッタを踏襲するものだが、外観上の特徴として、舷側をくり抜いたようなガンネル部分の形状が挙げられる。また、3層構造となっている船内の最下層、ロワーデッキ区画の船尾には、独立したキャビンをレイアウト。スイムプラットフォームに面して大きく開く電動スライドドアが設けられており、ダブルベッドの背もたれを起こしてソファにし、大海原を眺めながら過ごせる……という演出がなされている。

このアフトキャビンは、トイレ&シャワールームやギャレー、2カ所のワードローブなどを備えた豪華な仕様。アンダーデッキには、他に3カ所のキャビンがレイアウトされており(さらにクルールームの設置も可能)、そちらにも、それぞれ専用のトイレ&シャワールームが設けられている。一方、ミドルデッキに当たる部分は、ワンフロアを広く使ったメインサロン。船尾側は、やはり大型のスライドドアから外部のラウンジにつながる、一体感のあるスペースとなっている。

走行性能においては、巡航16〜24kt、最高27ktとスピードは控えめだが、燃費性能が非常に高く、3,600リットルの燃料タンクとあいまって、長距離の連続航行を可能にしている。エンジンはボルボ・ペンタのIPSで、900馬力×2のほか1,000馬力×2のアップグレード・オプションを用意。アブソルートでは、長年にわたりボルボ・ペンタIPSシステムの組み合わせに特化した船体開発を進めており、エンジン性能を最大限に発揮させる低燃費かつバランスのよい快適な走りを実現している。

 

アフトキャビンは船尾側に電動スライドドアが設けられており、ソファでくつろぎながら外を眺めたり、スイムプラットフォームをテラス的に使ったりすることができる。

 

フライブリッジも広大で、操船席まわりを含め、全部で3カ所にラウンジが配される形。左舷側に本格的なウエットバーを備える。

 

大きな窓で採光性の非常に高い、ワンルームタイプのメインサロン。船尾側左舷にギャレー、右舷側にダイネッティ、ミッドシップにラウンジ。一段高くなった操船席周りもラウンジ状のレイアウトになっている。

 

 

SPEC

●全長:19.63m ●全幅:5.52m ●燃料タンク容量:3,600L ●清水タンク容量:400L+400L+110L ●定員:15名 ●エンジン:ボルボ・ペンタD13- IPS1200(900PS/662kW)×2、D13- IPS1350(1,000PS/735kW)×2

 


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