普段からヨットを楽しんでいる諸兄であっても、デフセーリング(Deaf Sailing)という言葉を耳にしたことがある方は、まだまだ少ないのではないかと思う。恥ずかしながら筆者も、手話ボランティアに携わっている学生時代の後輩と盃を重ねたときに、その存在を初めて知った。
風を自由に操るセーリングというのは、誰もが楽しめるユニバーサルスポーツだということを、今さらながら感じた次第だ。
デフセーリングとは、ろう者(聴覚に障碍を持った人)によるセーリング競技のこと。日本では2019年に、(一社)日本デフセーリング協会(DSAJ)が設立され、海外での強化合宿をおこなったり、2022年には第2回世界デフセーリング選手権に日本から2チームが初出場してもいる。
日本デフセーリング協会では、今年9月2日~15日にニダ(リトアニア)で開催される「世界デフセーリング選手権(World Deaf Sailing Championship)」に日本から参加する選手を公募している。詳細は以下の通り。
なお、2029年夏に開催される「デフリンピック*注12029」において、セーリングは正式競技に決定している。その先の大舞台に向かって、今回の公募は、その第一歩となる大きなチャンスとなるに違いない。
日本デフセーリング協会では、ほかにもさまざまな活動を行っている。ぜひ公式サイトや公式フェイスブックページをご覧いただきたい。
*注1 デフリンピック:ろう者のオリンピック。4年に一度開催され、競技のルールはオリンピックとほぼ同じだが、耳の聞こえない人のためのさまざまな工夫がなされている
(文=舵社/安藤 健 写真提供=日本デフセーリング協会)
●公募種目:ハンザ303(男子、女子)、マリーナ19(男女混合)、プック(男女混合)、ウインドサーフィン(男子、女子)
●年齢:16歳以上(2024年1月1日現在)
※未成年者は保護者の同意が必要
●参加条件:
・両耳の聴力が55デジベル以上であること(競技中は補聴器の装着不可)
・大会期間中の休暇が取れること
・大会参加にかかる費用を全額自己負担できること
・(一社)日本デフセーリング協会および、(一社)全日本ろうあ連盟会員であること(2024年度の会費を収めること)
・本大会でのメダル獲得に強い意志があり、将来デフリンピック出場に意欲があること
・アンチドーピング講習会を受講すること
●公募期間:5月1日から(第1回)
●応募方法:事務局までメールにて応募
※結果発表は応募者全員におこなう
●その他:大会前に1週間程度の海外遠征合宿を実施予定(渡航費のみ自己負担の予定)
(問い合わせ)
(一社)日本デフセーリング協会事務局
E-mail: dsaj.office@gmail.com
https://jiiga.com/dsaj
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