東京湾の夏の風物詩、海ほたるを回航する人気のレースが今年は「ダイナースクラブカップ 第16回 東京ベイオープン チャリティヨットレース 2024」(以下、ダイナースクラブカップ)となって、7月14日に盛大に開催されました。
現在発売中の『Kazi』9月号では、レース委員長の宮川昌久(あきひさ)さんのレポートを掲載しています。こちらの記事を再編し、雑誌の誌面では未掲載の写真も含め、舵オンラインにてお届けします。(舵オンライン編集部)
新たなメインスポンサー、ダイナースクラブのサポートを受けて、パワーアップした東京湾の大人気レース。スタート前に降っていた雨も上がり、参加艇は青空の中で心地よいレースを堪能した
東京湾のビッグレースは新たな時代へ
今回のダイナースクラブカップには、73艇、約500人が参加。A、B、Cの3グループに分けてレースが行われました。レース当日は朝から大雨でしたがスタート時には上がり、東寄りの軽風でスタートできました。この風がいつまで続くのか、南風がいつ入るのか、各艇でいろいろな思いが交錯したかと思います。
ですが、それはレース本部も同じ。スタート直後は順調でしたが、徐々に先行艇の船足が止まり始め、最初にスタートしたグループAだけでも全コース帆走してもらって、グループBとCは短縮しようか? など、本部艇ではさまざまな意見が飛び交いました。
軽風の中、アクアラインの橋脚を通過し、海ほたるを回航する参加艇
最終的には、このレースのシンボルである海ほたるを回航して第3マークでの短縮を決め、本部艇も木更津沖でフィニッシュを待ちました。しかし、いかんせん風がない! 艇団は見えるもののフィニッシュラインに全く近づかず、このままではDNFが大量に出るかとヤキモキしながら風の吹き出しを待ちました。
そして最後の最後、遅れてきた南風は各艇を怒涛の勢いでフィニッシュに運んでくれました。後続艇有利の展開でしたが、それもこれもヨットレース。神経戦から一転して、最後は快適な追手のセーリングを満喫してもらえたと思います。
参加者の祈りが届き、最後は心地よい風と青空に恵まれるセーリング日和となった
帰港後はメインスポンサーであり、大会名にもなっているダイナースクラブさまの粋な計らいで、参加者に生ビールが振る舞われました。レースの疲れも吹き飛んだことでしょう。
夕方からは、参加者が集まって熱気が満ちる東京夢の島マリーナ内のアトリウムで表彰式を実施。各クラス入賞者の表彰のほか、協賛各社からの豪華景品が当たる大抽選会が開催され、大きな盛り上がりを見せました。
着艇後には乾いた喉を潤すドリンク、表彰式では豪華景品が多数提供され、大盛況のアフターレースとなった
最後に、このレースはチャリティーの側面もあります。2011年の第3回大会は東日本大震災復興支援チャリティーヨットレースとして開催され、その後も参加費の一部を、環境保全や人道支援活動に取り組む団体へ継続的に寄付しています。来年もまた皆さまと、この海面でお会いできることを楽しみにしています。
(文=宮川昌久 写真=舵社/落合明人、鈴木教之)
各クラス上位入賞チーム
■グループA
●クラス1
1位 ガンボII(ベネトウ・ファースト36.7)
2位 ツルギ(ファー 30)
3位 アモイ(ベネトウ・ファースト40.7)
●クラス2
1位 ウララ(横山30IMS)
2位 ハートオブニッポン(ツボイIMS950)
3位 AZ(ファー 31)
■グループB
●クラス3
1位 ミルキーウエイV(ヤマハ30SN)
2位 レオン(ベネトウ・ファースト31.7)
3位 ネフェルティティ(ヤマハ31F)
●クラス4
1位 レナ(ベネトウ・ファースト300スピリット)
2位 フー(ヤマハ26IIS)
3位 スピードスター(ヤマハ26IIS)
■グループC
●クラス5
1位 フェリックス(J/24)
2位 ゴブリン(ハルベルグ・ラッシー 310)
3位 アナイス(クワモト30)
●クラス6
1位 ミネルバ(ヤマハ23II)
2位 ゼロ(ヤマハ23)
3位 シャワーボーイ(ヤマハ24フェスタ)
※現在発売中の月刊「Kazi」9月号では、ダイナースクラブカップのより詳細な記事を掲載しています。そちらもぜひ
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