フランスの老舗プロダクションヨットビルダーとして知られる「デュフォー(Dufour)」。創業は1964年、数々の名艇を世に送り出してきた。エレガントでありながら、斬新なデザインを取り込んでいくなど、そのモデルはみな“デュフォーらしさ”にあふれている。
2022年3月現在で、呼び長さ(ft)で32から61まで、全部で9艇種のクルージングモデルをラインアップしている。
このうち、全長11.94m/ハル長:11.19mの「デュフォー390」に、2021年末に東京湾・横浜沖で試乗・取材する機会を得た。3月5日発売の月刊『Kazi』2022年4月号に、永井 潤氏による詳細なレポートが掲載されているが、当サイト「舵オンライン」でも、写真を中心にその魅力をお伝えしていくこととしたい。
なお、デュフォー390は、3月31日(木)~4月3日(日)に開催される「ジャパン インターナショナル ボートショー 2022」では、横浜ベイサイドマリーナ会場のアクティブマリンのブースに展示される。実艇が見られる貴重な機会となっているので、ぜひ足を運んでいただきたい。
(文=舵社/安藤 健 写真=松本和久)
試乗取材当日の東京湾は、残念ながらブローで3~4m/sの微風コンディション。それでも風をつかむと、静かに加速していく。ハルのチャインや低めのドッグハウスなど、現代のデュフォーらしいデザインが印象的だ
オリジナルのドジャーは前面を外してビミニトップのように使うことができて、とても具合がいい。ブームエンドが上がっているように見えるが、これはグースネックの位置が低いことによるもの。取材艇のメインセールはマストファーリングシステムを採用しており、少人数でも問題なくセーリングが楽しめる。標準仕様では、ジブはセルフタッキング仕様となる
外観からは、全体的にシャープな印象を受ける。バウスプリットには、アンカーがうまく収まっている。デッキ面の窓の数とサイズにも注目
広々としたコクピット。全幅が3.99mもあり、驚きの船上空間を実現している。停泊中は大人数で集まってのパーティーにもぴったり
デュフォーのモデルは、最小モデルの32がティラー仕様だが、それ以外は全てツインホイールを採用。ブーム位置も高く、バックステイは左右両端に振り分けられており、フネに慣れていないゲストでも安心だろう
ドッグハウスから前方を望む。メインシートトラベラーは、コクピットではなくこの位置にある。マスト後ろには大きな窓が設けられていて、これが明るい船内空間の実現に寄与している
全幅を存分に生かした広いメインサロン。この明るさ、おわかりいただけるだろうか。一昔前のセーリングクルーザーの穴倉的なキャビンとは、まったく異なる空間が広がっている
コンパニオンウェイの階段を下りると、右舷側にL字形の大きなギャレー、左舷側にトイレ&シャワールームという配置。落ち着いた色調の木部が、高級感を高めている
左からシンク、冷凍冷蔵庫、2口コンロが並ぶギャレーエリア。カウンターも広く使い勝手がよさそう。深さのある冷蔵庫は、上からも下からもアクセスすることができるので、非常に便利だ
フォアキャビンにはVバースが設けられている。写真右側に見える物入れの部分を、トイレ&シャワーとすることも可能だ
試乗艇は、左右対称のアフトキャビンを設けた仕様。この空間も、ご覧のように広く、そして非常に採光性が高い
トイレ&シャワールーム。ウオッシュボウルの右に見えるのがシャワーヘッドで、こんな部分も洒落ている
試乗艇のエンジンは、ボルボ・ペンタD2-50(51馬力/セールドライブ)を搭載。標準仕様は30馬力
お時間のある方は、下の動画もぜひご覧いただきたい。セーリングシーンに加えて、輸入元のアクティブマリンの松石万希子さんによる詳細な解説も必見の内容となっている。
DUFOUR 390
【SPEC】
●全長:11.94m
●ハル長:11.19m
●水線長:10.50m
●全幅:3.99m
●喫水:1.95m
●軽荷排水量:7,700kg
●バラスト重量:2,100kg
●セール面積:メイン36.6㎡、ジェノア29.9㎡
●燃料タンク:200L
●清水タンク:380L
●エンジン:ボルボ・ペンタD2-50(51馬力。セールドライブ仕様)
(問い合わせ)
アクティブマリン
http://www.activemarine.jp/
ジャパン インターナショナル ボートショー 2022
■リアル会場(パシフィコ横浜&横浜ベイサイドマリーナ)
〇会期 3月31日(木)~4月3日(日)
〇入場料 1,500円(高校生以上)
■オンライン会場
〇会期 3月18日(金)~8月31日(水)
〇入場料 無料
→公式サイトはこちら
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