欧州のボーティングジャーナリストたちによって選考される「ヨーロピアン・パワーボート・アワード2022(European Powerboat Award 2022)」。毎年1月のデュッセルドルフ・ボートショー(ドイツ)の期間中に実施されるセレモニーでウイナーが発表されるのが常だが、残念ながら今年はコロナ禍で同ボートショーは中止。しかし、このほど各部門のウイナーが発表された。
カテゴリーは、「Up to 8m」、「Up to 10m」、「Up to 14m」、「Up to 20m」、「Displacement」の全5部門。トレンドの最先端を行く注目艇が、各部門のウイナーに輝いた。
それでは、栄えあるウイナーを紹介していくことにしよう。
(文=舵社/安藤 健)
※トップ写真はBeneteau Grand Trawler 62
European Powerboat Award 2022 動画はコチラ↑↑
【Up to 8m部門】
Axopar 22 T-Top
Up to 8m(全長8m以下)部門のウイナーに輝いたのは「Axopar 22 T-Top」。先鋭的かつ斬新なデザインとコンセプトで、創業からほどなく世界中のファンの心をわしづかみにした、アクソパーの最新モデルだ。モデル数をあえて絞り込む方策でマーケットのシェアを拡張しているアクソパーが次なるターゲットとしたのは、エントリーユーザー向けボート。ただしサイズこそエントリーユーザー向けだが、その性能はベテランユーザーも満足すること間違いなし。「海のライトウエイトスポーツ」とでも形容すべき走りは、特筆すべきポイントだろう。
昨年の秋に舵オンラインでもオープンタイプのアクソパー22スパイダーを紹介したが、T-Top仕様のこちらも、すでに日本に1号艇がやって来ている。近いうちにインプレッション取材を実施する予定なので、本サイトでも紹介したい。お楽しみに。
●全長:7.20m
●全幅:2.33m
●重量(エンジン除く):1,250kg
●燃料タンク:230L
●エンジン(船外機):115~200馬力
(問)オカザキヨット
https://okazaki.yachts.co.jp/
※動画はオープンタイプの「Axopar 22 Spyder」
※その他のノミネート艇
Nordkapp RS 800C、Quicksilver 475 aXcess、Sea Ray SPX 230 OB、X-Shore Eelex 8000
【Up to 10m部門】
Galeon 325 GTO
注目のモデルがノミネートされたUp to 10m(全長10m以下)部門では、「Galeon 325 GTO」がウイナーに輝いた。ガレオンはポーランドのビルダーで、近年世界中でシェアを拡大中。日本の海にも、同社のいろいろなモデルが浮かんでいる。
この325GTOは船外機仕様のバウライダーで、幅の広い船首エリアにはくつろぎの空間が設けられている。もちろん、ガレオンではおなじみの後部の舷側を外側に展開するシステムを、このモデルにも採用。サイズを超えた圧倒的な船上空間は、さまざまなスタイルのボーティングに対応するものだ。
●全長:9.99m
●全幅:3.34m
●重量:6,700kg
●燃料タンク:900L
●エンジン(船外機):300~450馬力×2
(問)スローボート
http://www.slowboat-shonan.com/
※その他のノミネート艇
Delta 26 Open、Parker 800 Cruiser、Ryck 280、Van Dutch 32
【Up to 14m部門】
Marex 330 Scandinavia
流行のデザインを取り入れたモデルが多数ノミネートされたUp to 14m(全長14m以下)部門だが、オーソドックスなスタイルのセダン「Marex 330 Scandinavia」がウイナーに輝いた。Marexは1973年創業のノルウェーのボートビルダーで、これまでに3,300隻を超えるボートを建造している。
Marex 330 Scandinaviaは、家族とのクルージングを想定して造られたモデル。船内と船外に広いシッティングエリアを備えており、特に囲われた形状になっているアフトコクピットは、小さな子供と過ごすときにも安心感たっぷり。寒い季節には、温かな船内空間でのんびり過ごすことも可能だ。推進方式は、シャフトドライブとスターンドライブから選択することができ、エンジンのサイズにもよるが最高速度は38ノットにも達する。
●全長:10.49m
●全幅:3.40m
●重量:5,500kg
●燃料タンク:650L
●エンジン:440~480馬力×1/220馬力×2
(問)Marex
https://marex.no/
※その他のノミネート艇
Saxdor 320 GTC、Sessa Key Largo 40、Solaris Power 44 Open、Swan Shadow
【Up to 20m部門】
Absolute 48 Coupé
Up to 20m(全長20m以下)部門のウイナーには、イタリアのアブソルートヨットの「Absolute 48 Coupé」が選ばれた。
アブソルートでは、ナベッタ、フライブリッジの2シリーズをラインアップしてきたが、新たにリリースされたクーペタイプがこのモデル。シャープでモダンなデザイン、そしてハウスの大型のウインドーなど、一目でそれとわかるスタイルは、これまでのクーペとは一味も二味も異なるものだ。開放感にあふれた船内空間は、極上のひとときを届けてくれるはず。
●全長:14.90m
●全幅:4.52m
●重量:23,000kg
●燃料タンク:1,600L
●エンジン:ボルボ・ペンタD6-IPS650(480馬力)×2
(問)テクノマーレインターナショナル
https://www.tecnomare-yachts.co.jp/
※その他のノミネート艇
Azimut 53 Fly、Invictus TT 460、Leopard 53 PC、Pardo Endurance 60
【Displacement部門】
Beneteau Grand Trawler 62
Displacement部門では、「Beneteau Grand Trawler 62」が見事ウイナーに輝いた。
ベネトウのパワーボート・ラインアップでは、スイフトトローラーが大成功を収めている。そこで培ったノウハウを生かし、もうワンステップ上のフラッグシップという位置づけで誕生したのがグランドトローラー62だ。メガヨットの世界観が取り込まれた船内空間は広く、そしてゴージャス。2,000リットルの燃料タンクを2つ備え、1,050海里という航続距離の長さも大きなセールスポイントとなっている。快適さとシーワージネスを兼ね備えたパッセージメーカーとして、新たなスタンダードになりそうだ。
●全長:18.95m
●全幅:5.41m
●排水量:28,500kg
●燃料タンク:2,000L×2
●エンジン:730馬力×2
(問)ファーストマリーン
https://www.firstmarine.co.jp/
※その他のノミネート艇
Boarncruiser 37 Lounge、Linssen GS 500 Sedan
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