英国の老舗ビルダー、マグワイアボートが手掛けるレース専用フォイリングモス「EXOCET(エグゾセ)」。
注文から完成まで2年とも3年ともいわれる、この激レア・フォイリングモスが、なんと日本に2艇も存在する。
プロセーラー脇永達也さんのSail No.4691と、プロセーラー荒川海彦さんのSail No.4690がそれ。
月刊『Kazi』 12月号(2020年)で取材したエグゾセの魅力に今一度迫ってみたい。
撮影には、同じくプロセーラーの本吉夏樹さんが試乗に参加した。
■ 全長:3.355m(バウスプリット、ラダーガントリー含まず)
■ 全幅:2.250m
■ 喫水:1.030m
■ 重量:30kg
■ セール面積:8.25㎡
■ 乗員:1人
■ 価格:4,000,000円(税込み。輸送費込み)
(問)Maguire BOATS
セールは、ノースセール製最新「3Di」。写真は荒川艇で、Vi9-DSXRを使用。ウイングは従来のモスよりも角度があり、アンヒール時により遠くへレバーを稼ぐことができる。水を引きずらないよう、絶妙なツイストが施される
デッキの艤装を見る。艇の高さをトリムするハイトコントローラーは、フォイルフラップの最大振り角度を調整。ギアは、ワンド(ハイトセンサー)からの情報を敏感に伝えるか鈍感に伝えるかの調整用。バングやカニンガムなどもあり、基本的には既存のシングルハンドディンギーと同じようなコントロールラインだ
最近のモスに多い、デッキスイーパー。メインセール下端がデッキに密着するほど下がっている。翼端流効果の軽減を狙ったもの
出艇前は、このようにスロープに横倒しさせて待機する。
ハルをバウ側から見たところ。 手前から、ワンド(高さをコントロールするセンサー)、メインフォイル(中央に付くセンターボードと水中翼)、ラダーフォイル(舵に付く水中翼) ハル自体は、浮いてしまえば関係ないので実に細い。
最低限の浮力と、より離水しやすい形状が研究されている
センターボードが長く、しかも収納できないため、出艇はこんな感じに。 起こしてもセンターボードが海底につかない深さまで、泳いで運ばなければならない
プロセーラー脇永達也さんのフォイリング
プロセーラー荒川海彦さんのフォイリング
手前はプロセーラー本吉夏樹さん、奥は脇永さん。葉山、森戸海岸沖をフォイリングする!
撮影用ボートのギリギリを疾走する本吉さん。すごい迫力だ
瞬き禁止の20秒! EXOCET動画はコチラ
↓↓↓
五輪出場3回、アメリカズカップ参戦4回。誰も認めるプロセーラー。ノエビアセーリングチーム・マネージャー。好きな食べ物は、もつ鍋(葉山の「さかもと」派)。
国内外のオフショア、ロング、インショアレースで活躍。ワンデザイン全日本をほぼ制覇する、名高きプロセーラー。好きな食べ物は、ポン酢でいただく豚しゃぶ。
(文=Kazi編集部/中村剛司 画像=舵社/宮崎克彦)
※本記事は月刊『Kazi』2020年12月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ