イギリス南西、ランズエンド岬を越え、アイルランド南端の伝説の岩礁であるファストネット・ロックを回航するビッグレース、「ロレックス・ファストネットレース2021」が8月8日にスタートする。
世界中のセーラーを魅了する偉大なるレース、ファストネットレース。昨年はコロナ禍により無念の中止となったが、2021年、ついに復活となった。 多くの日本人セーラーもこのレースに魅せられ、いつかは出場を夢見る憧れのレースである。2017年大会では、北田 浩さんがけん引するクラス40〈貴帆〉が出場。JOSA(日本オーシャンセーラー協会)理事を務める北田さん、児玉萬平さんたちが参加し、大いに話題を呼んだ(『Kazi』2018年1月号、2月号に掲載)。
2019年大会では、同じく北田 浩さんが、アルノ・ボワッシエールとのダブルハンド(二人乗り)にて、フォイリングIMOCA 60〈La Mie Câline Artipôle〉で参加。フォイリング艇による外洋レースに、日本人として初の公式参戦を果たした(『Kazi』2019年12月号掲載)。
その北田 浩さんが、〈貴帆〉でファストネットに再戦が決定! さらに日本からチーム〈MILAI〉が参戦するとあり、ファストネットへの注目が集まっている。
さらに今大会。IMOCA60クラスに、単独無寄港世界一周レース「ヴァンデ・グローブ」に挑戦したスターたちが集結。盛り上がり必至のビッグイベントをぜひお見逃しなく。
(トップ写真=ファストネット・ロック。photo by ROLEX / Carlo Borlenghi)
©FASTNET RACE 2021
2021年大会のコース図。カウズをスタートし、ランズエンドを回ってファストネット・ロックを回航する。フィニッシュは2019年大会までイギリスのプリマスであったが、今回はフランスのシェルブールに変更された
photo by Yoichi Yabe
北田 浩さんの〈貴帆〉(ハルナンバー146)。写真は日本人初参戦初完走を果たした「ルート・デュ・ラム」を快走する北田さん
photo by Masatomo Suzuki
こちらは、中川紘司さん、FLATWATERの鈴木晶友さんらによるチーム〈MILAI〉(ハルナンバー101)。調整が進んでいる
ヴァンデ・グローブで世界中を熱狂させたスーパーワークスチームのスターたちを紹介しよう。
©GauthierLebec / Charal
Jeremié BEYOU
ジェレミ・ベユー
●年齢:44歳 ●国籍:フランス ●進水:2018年8月18日
2019年大会のディフェンディングチャンピオン。優勝候補であったヴァンデ・グローブの雪辱を晴らせるか!
©Maxime Horlaville / Disobey / Apivia
Charlie DALIN
シャルリー・ダラン
●年齢:36歳 ●国籍:フランス ●進水:2019年8月5日
ヴァンデ・グローブ2020-2021準優勝のシャルリー・ダラン。ギヨーム・ヴェルジエ設計の最新艇で挑む。
©AmoryRoss / 11th Hour Racing
Pascal BIDÉGORRY
パスカル・ビデゴリー
●年齢:53歳 ●国籍:フランス ●進水:2015年
元〈ヒューゴボス〉、ヴァンデ・グローブ2016-2017準優勝艇。 11th Hour Racingの2艇のうちの1艇として活躍。
©AlexThomson Racing
Alex THOMSON
アレックス・トムソン
●年齢:46歳 ●国籍:イギリス ●進水:2019年8月15日
VPLP設計ながら、トムソンの意見が十二分に反映された独自コンセプトの最新艇。円弧状のフォイル形状も独特。
©Maxime Horlaville / polaRYSE / Initiatives Coeur
Samantha DAVIES
サマンサ・デイビーズ
●年齢:46歳 ●国籍:イギリス●進水:2010年9月20日
ヴァンデ・グローブに3回挑戦した女性セーラー、デイビーズがファストネットに参戦。外洋シーンをけん引する女性の一人だ。
ファストネットレースの妙味は、クラス40など、日本のセーリングシーン近いサイズが最も層が厚くファンが多いが、やはりド迫力のフォイリングIMOCA60についつい目が移ることも事実。超高速マルチハルも熱いが、やはりモノハルフォイラーの技術の進化と速度の向上は目を見張るものがある。
ヴァンデ・グローブを沸かせたキラ星のごときスターたちの走りを目に焼き付けよう!
(文=Kazi編集部/中村剛司)
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