船上で頼れる最強の防振双眼鏡|フジノンTS-X 1440

2022.09.07

古今東西、船乗りにとって欠かせないアイテムの一つである双眼鏡。ナビゲーションの基本であるワッチ(見張り)をする際には、大きな味方となってくれる。

でも、揺れる船上で双眼鏡を使うとなると、陸上のように安定した状態では見られないのも事実。そこでおすすめしたいのが「防振双眼鏡」だ。

今回、最新のテクノロジーを搭載した富士フイルムの防振双眼鏡「フジノン・TS-X 1440」を、実際に海の上で使用する機会を得た。まずは、その仕組みについて簡単に説明していこう。

 

(文=舵社/安藤 健 製品写真提供=富士フイルム 海上写真・動画撮影=松本和久)

こちらがフジノンのハイエンドモデル「TS-X 1440」。サイズは、長さ187mm×幅165mm×高さ81mm、重量は1,300g(電池含まず)と、一般的な双眼鏡に比べると大ぶりで存在感がある。

防振双眼鏡とは、その名の通り、防振システムを搭載した双眼鏡のこと。防振システムのおかげで、倍率を上げた際のデメリット(=倍率が高くなるとより遠くのものが見えるが、逆に視野は狭くなってしまい手振れも大きくなる)を大きく軽減できるので、一般的な双眼鏡と比べて高倍率なレンズを搭載することが現実的になる。TS-X 1440は14×40」(倍率×対物レンズ有効径[単位mm])というスペックを誇っている。

 

その要となる防振システムは、富士フイルムが独自に開発したもの。内蔵された電子ジャイロセンサーが振動を感知すると、ジンバル構造に組み込まれた正立プリズムを常に安定した状態に保つため、他の方式に比べて広い補正角を実現する。±6°という防振性能は、電子式ジャイロセンサーによる防振機能を搭載した双眼鏡としては世界最高レベル。下の図は、通常の双眼鏡(左)と防振双眼鏡(右)の仕組みを比較したものだ。

もはや手振れ補正というような機能の範疇を圧倒的に超えており、海上での波の揺れや乗り物の細かな振動も補正してくれる。揺れる船上では、双眼鏡越しの視野の中に対象物をとらえることすらままならないが、TS-X 1440の場合は、その圧倒的な防振性能のおかげで、対象物を確実に視野の中にとらえて逃がさない。ヨットやボートのユーザーにとって、心強い味方になってくれるはずだ。

ということで、防振双眼鏡「TS-X 1440」を携えて、シティマリーナヴェラシス(神奈川県横須賀市)からボートで海に出てみた。当日の海上のコンディションは、風速10m/s近くで南からのうねりもガンガン入って来る、テストには絶好のコンディション。

 

湾口を出て北側に設置されている香山根(かやまね)灯浮標。0.6海里(約1.1km)ほど離れた位置にボートを止め、肉眼で見た状態が上の写真。なんとか存在を確認できるといった状況だろうか。

TS-X 1440越しに、この灯浮標をのぞいてみる。ボートがけっこう揺れているので、防振機能をオフにした状態(下右写真)だと、視野の中に灯浮標をキープし続けることすらままならない。防振機能をオンにしてみると(下左写真)、双眼鏡越しの映像がスローな揺れになり、しっかりとターゲットをキャッチできる。これは感動もの! 浮標に書かれた「KAYAMANE」という文字もはっきりと確認することができた。

このシーンをとらえた動画をぜひご覧いただきたい(↓↓↓)

富士フイルム×月刊Kazi 連動動画|防振双眼鏡で「灯浮標を見てみた!」

 

 

今度は陸上の目標物がどんなふうに見えるのか、チェックすることにした。0.6海里(約1.1km)ほど離れた場所から、シティマリーナヴェラシスを見てみる(上写真)。

相変わらず海は荒れ模様で、動かないターゲットにもかかわらず、やはり防振機能をオフにした状態では、ターゲットを視界にとらえ続けることもキツい。一方、防振機能をオンにすると、マリーナのクレーンをピタリと視界にキープ。「city marina Velasis」という文字もはっきり読めるし、またまた感動!

知らない港に入るようなときでも、この双眼鏡があれば本当に安心できると思う。

こちらの様子も、ぜひ動画をごらんください。(↓↓)

富士フイルム×月刊Kazi 連動動画|防振双眼鏡で「陸上の目標物を見てみた!」

 

双眼鏡としての機能もさることながら、海というアウトドアで使っても、防水構造になっているので心配無用。しかも水に浮く!ので、万が一、海に落としてしまった場合でも安心だ。

 

電源は、単三電池4本を使用。最大で22時間の防振性能の連続駆動が可能な省エネ設計だ(ニッケル電池使用の場合)。オートパワーオフ機能も付いており、無駄な電池消費がない

 

オリンピックへの出場経験もあり、現在もトップセーラーとして活躍する梶本和歌子さんもTS-X 1440の愛用者の一人。若い世代に対するコーチングも手掛けているが、その使い勝手を次のように話している。

「レース中、コーチはレース海面に入ることができません。そこで、この双眼鏡で遠くからでも選手の走りを確認しています。防振性はもちろん防水性も高いので、安心して海の上で使えますね」

インタビュー動画もあるので、こちらもご覧ください。↓↓

 

FUJINON TS-X 1440

倍率:14 ●対物レンズ有効径:40mm ●実視界:4度 ●1,000mにおける視界:70m ●射出瞳径:2.9mm ●明るさ:8.2 ●アイレリーフ:13mm ●サイズ:長さ187mm×幅165mm×高さ81mm ●重量:1,300g(電池含まず) ●眼幅調整範囲:60~70mm ●視度調整範囲:±2mm ●フォーカス:CF ●バッテリー:単3電池×4 ●付属品:対物/接眼レンズキャップ、ソフトケース、ストラップ、 単3電池×4

参考価格:192,500円(KAZIマリンショップの場合)

※お買い求めはコチラ

 

(製品に関する問い合わせ)

富士フイルム 双眼鏡サポートセンター
TEL: 0570-022226
https://www.fujifilm.com/jp/ja/consumer/binoculars

 

動画もぜひご覧ください!
「揺れる海上でも目標物をぶらさない!最強の防振双眼鏡「フジノン TS-X 1440」をボートの上で使ってみた!」

 


TS-X 1440を実際に使える!
うれしいトライアルサービス

いくら機能がすばらしいといっても、やっぱり実際に手に取って使ってもらうのが一番。それも欲をいうなら、ショールームや店頭ではなく、実際にフィールドで使ってみたい・・・。

そんなユーザーのニーズに応えるべく、富士フイルムではTS-X 1440を貸し出す(有料)トライアルサービスを行っている。

東京と大阪にある富士フイルム イメージングプラザでサービスを提供しているので、ぜひ感動の使い勝手を体験していただきたい。

 

(問い合わせ)

トライアルサービス

TEL: 03-6259-1615(東京)、050-3385-4500(大阪)
https://fujifilm-x.com/ja-jp/support/repair/rental/

 

※こちらの詳細記事は、月刊Kazi10月号にも掲載しています。

 


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