カヤッカー同士がつながる!|気軽に使えるトランシーバーに注目

2024.07.02

海の上での通信手段、皆さんはどんなアイテムを活用しているだろうか。携帯電話、それに国際VHFといったところが主流だと思う。

ただ、これらはそれぞれにメリットとデメリットがある。携帯電話は、電話番号を知っている相手としか通信することができないし、電波が圏外のエリアでは、当然ながら使えない。これに対して無線機である国際VHFは、電波が届く範囲内にいる相手であれば、誰とでも通信することができるので(しかも複数の相手と同時に)、プレジャーボートから大型船舶まで海上における通信手段として、世界中で広く利用されている。もちろん、電話のように通信料もかからない。

が、国際VHFは、日本においては船舶局を開局する必要があるため、カヤックやSUPといったより小さなマリンアクティビティー、あるいは免許や船舶検査が不要な2馬力ボート、エンジンの付いていないセーリングディンギーなど、使うことができないのも事実である。同時多報性という無線機ならではの機能は、海遊びの安全においては大いに役立つものではあるのだが・・・。

 

そこであらためて注目したいのが、「デジタル簡易無線機(トランシーバー)」と呼ばれるカテゴリー。運用する人の資格(従事者免許)が不要で、無線局の登録申請をするだけで使えるのが大きなポイントで、気軽に導入することができる。

上の写真で身につけているのは、アイコムの最新モデル「IC-DPR45」。5ワットのパワフルな出力を誇り、海上のように見通しのよい場所であれば、通話可能距離は4~10キロにもおよぶ(通話範囲は周囲の状況によって異なります)。

トランシーバーというと、ボタンを押しながら通話するのが一般的だが、こちらのモデルはVOX機能(音声に反応して自動的に音声送信できる)を備えているほか、ブルートゥース対応のヘッドセットやイヤホンマイクロホンとワイヤレスで接続し、ハンズフリーで利用できる。

だから仲間と会話しながらパドルを漕ぐなんてことも可能。防水性も抜群なので(IP67)、水しぶきを気にすることなく使えるのもうれしい。

 

ご覧のとおりの高い防水性能を誇る、アイコムのデジタル簡易無線機(トランシーバー)「IC-DPR45」。マリンアクティビティーで使うには心強いアイテムだ。価格は54,780円と、コストパフォーマンスも抜群

 

IC-DPR45
●サイズ:52.2×111.8×30.3mm(バッテリーパック装着時) ●重量:約263g(アンテナ、バッテリーパック装着時) ●使用可能時間:約16.5時間(パワーセーブ機能ON時) ●チャンネル数:送信82ch、受信82ch+15ch ●価格:54,780円

 

こちらはアイコムのハイエンドモデルのデジタル簡易無線機(トランシーバー)「IC-DPR7S/BT PLUS」。豊富な機能が備わっており、もちろん防水仕様

IC-DPR7S/BT PLUS
●サイズ:56×92×29mm(バッテリーパック装着時) ●重量:約243g/245g(アンテナ、バッテリーパック装着時) ●使用可能時間:約13時間(パワーセーブ機能ON時) ●チャンネル数:送信82ch、受信82ch+15ch(増波対応) ●価格:63,580円/65,780円

 

さらに、もっと手軽に使うことができるのが「特定小電力トランシーバー」。見通しのよい海上での通話距離は約2キロ(通話範囲は周囲の状況によって異なります)だが、運用にあたって資格や免許が一切不要ということに注目したい。

上写真のアイコムの人気モデル「IC-4310」は、IP67の防じん・防水性能を備え、カヤックなど水に近いアクティビティーで使うにも安心。超コンパクトなボディーなので、身に着けているときでも動きを妨げることがないだろう。

IC-4310
●サイズ:47×81×26.5mm(突起物を除く) ●重量:約117g(専用Ni-MH電池装着時) ●使用可能時間:約20時間(専用Ni-MH電池使用時) ●チャンネル数:47ch(交互20ch+中継27ch応) ●価格:17,380円

 

上に紹介した3つのモデルを並べたところ。左からIC-4310、IC-DPR45、IC-DPR7S/BT PLUS

 

今回は手軽に使える無線機(トランシーバー)を紹介した。これらはもちろん海の上での安全に役立つものだが、仲間と一緒に会話したりコミュニケーションを取ることにも使える。ぜひ導入を検討してみていただきたい。

 

(文=舵社/安藤 健 写真=舵社/落合明人)

 

(問い合わせ)
アイコムサポートセンター
TEL: 0120-156-313(平日9:00~17:00)
https://www.icom.co.jp/

 

※本記事は『カヌーワールド』vol.28号に掲載された記事の一部を再構成したものです。

 


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