J/24全日本は今井信行が4勝目を飾る

2024.11.27

11月20〜24日まで福岡県・福岡市ヨットハーバーを拠点に開催された「第43回 J/24クラス全日本選手権大会」には、地元福岡から5艇、和歌山から3艇、神奈川から4艇の計12艇がエントリー。全7レースが実施され、今井信行ヘルムの〈シエスタ ローザ〉(和歌山セーリングセンター)が優勝した。

 

 

今井さんは、15年前の第29回大会(新西宮ヨットハーバー開催)でJ/24全日本に初出場。これまで3勝(2014年第34回、2021年第40回、2022年第41回)を挙げ、今大会が4勝目となる。9月28日〜10月5日の米・シアトルワールドにも出場し、日本勢トップとなる3位の〈月光ダイアナ〉(市川航平ヘルム)に次ぐ4位(コリンシアン部門は1位)で大会を終えている。その悔しさを晴らすため、今大会までの約2カ月、準備に取り組んだという。

 

「僕らは世界選手権で自分たちの力を出しきれなかった部分があったので、そこをチーム内で反省しました。今大会では、きちんとパフォーマンスを100%出そうっていうのをチーム内で共有して団結できた大会になり、うまく持てる力を発揮できたかなと思います」と今井さん。

 


第7レースフィニッシュ直後の〈シエスタ ローザ〉

 

レース2日目に実施された第5レースでは、コンテナ船がレースエリアを横断するハプニングが発生。レース中のフリートが大きく分断され、コンテナ船を避けるコースを取った艇もあった。N旗が掲揚されたが、その後、救済要求や抗議が複数寄せられ、最終レース終了後まで審問が続く。結果として、2回目の風上マークの回航順位を得点とした。

 

最終日の24日は、朝の南風が東風に変わってから出艇。110度でコースが設定されるも、50度まで振れてAP掲揚。ゼネリコの後、第6レースがスタートした。レース中盤から〈シエスタ ローザ〉と、それを追う武居徳真ヘルムの〈月光〉がマッチレースに。先行した〈シエスタ ローザ〉が今大会3度目のトップフィニッシュを果たし、優勝を確実にした。

 


第6レース、2上レグで〈月光〉を抑えながら走る〈シエスタ ローザ〉。右奥に見えるのが、前日にレースエリアを横切ったコンテナ船

 

 
〈シエスタ ローザ〉の兄貴分〈シエスタ コスモス〉(岩出 彰ヘルム)も出場。平均年齢は63歳だそう

 


大会には日本のMr.J/24、横田順市さん(73歳)もメジャラーとして参加。43年前の第1回大会から選手もしくは運営スタッフとして欠かさず参加し、表彰式の冒頭、それを祝してプレートを贈られた

 

シエスタチームは和歌山に戻ってから、第7回和歌山カップ(12月6~8日)の参加艇を迎えるための準備を進める。J/24を用いたこの大会は、予選シリーズはフリートレース、決勝シリーズはマッチレースというユニークなフォーマットで行われ、設立当初から人気が人気を呼ぶ冬の名物レースになっている。シエスタチームのこの取り組みにも、ぜひご注目を。

 

以下、J/24全日本の最終成績と大会最終日の写真をお届けする。

 

 

 

(文・写真=森口史奈/Kazi編集部)

 


 


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