Kazi YACHT AWARD 2024のクルージング部門を制したのは、フランスのカタマラン(双胴艇)、エクセス14。これまでこのアワードでは、クルージング部門とは別にカタマラン部門を設けてきたが、時代はカタマランへ移行し、モノハルも含めたクルージング部門のトップにカタマランが輝くこととなった!
船体を二つつなぎ合わせたカタマランは居住スペースが広くとれ、ほとんど傾かず、ハードドジャーによって日差しからも体を守りと、比較的女性受けのよいジャンルとしても知られている。
Kazi YACHT AWARD 2024
国内唯一のセールボートとパワーボートの専門誌、月刊『Kazi』誌2024年3月号(2024年2/5発売)から、2025年2月号(2025年1/4発売)に紹介したセールボートを対象とし、アワードを決定するものだ。
◆メインカット
photo by Kazuhisa Matsumoto | VPLPデザインのクルージングカタマラン、エクセス14。クルージング艇というよりもクルーザー/レーサーのような性能をほこる
Kazi YACHT AWARD 2024
クルージング部門 1位
Excess 14
エクセス14
[輸入元]
オデッセイマリーン
TEL: 046-875-0650
Boat Review
本吉夏樹さん(選考委員)
数あるカタマランの中でも、クルージング性能とセーリングの速さが共存したモデルは少ない。モノハルでいうC/R艇のような位置付け。どっちつかずではなく、いずれも両立した点が素晴らしい。
Dealer’s Comment
藤本 伸さん(オデッセイマリーン)
国内はエクセス11、12、海外では14、15と多くのセーラーから高評価を受けています。機能的で帆走性能が高い14をぜひ、お楽しみください。
対象記事と選考方法
2024年3月号から2025年2月号までに月間『Kazi』で紹介した、艇紹介および、艇の性能を取材し分析した記事を加えた38艇が対象。上記4人の識者に加え、植村浩志(舵社社長)と、安藤 健(同営業部)にKazi編集部員・写真部を加えた11人で選考。それぞれ1~10位を決め、1位30点、2位29点……10位11点を加点、識者の4人以外は1位20点からスタートした。
Kazi Yacht Award 2024選考委員
Kazi YACHT AWARD 2024 選考委員会総評
(文=Kazi編集部/中村剛司)
今回は2024年5月号のクラシカル艇特集、10月号のデイセーラー特集があったため、古き良き船型の艇が多くノミネート。また、毎回7艇ほどあるマルチハルが今回は2艇のみ。スポーツボートはフィガロ・ベネトウ3の1艇のみ。同時にC / R(クルーザー/レーサー)艇も4艇と少なかった。 そんななか16艇がノミネートされたクルージング部門を制したのは、なんとマルチハルのエクセス14。たった2艇のマルチハルながらその存在感を見せつけた。10艇がノミネートされたデイセーラー部門の1位は、サフィアSC8mキャビン。2021年、2022年と連覇したシリーズの地力はさすが。また、デイセーラー&ディンギー部門には自作艇も含まれ、その5位にヘレショフ16’8’’ヨール〈コキーナ〉が入ったことは面白かった。なんとこの艇はまだ完成していない(笑)。進水が待ち遠しい。 現実と乖離しすぎたアメリカズカップやヴァンデ・グローブの知見は、プロダクションボートには降りてこない。そんな批判をはね除けるように登場した、フォイル艇、フィガロ・ベネトウ3と、それを選んだ今回の選者たち。セーリングシーンをけん引するのも、やはりこのジャンルということであろう。
(文=Kazi編集部 写真=松本和久)
※関連記事は月刊『Kazi』2024年2月号に掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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