秋冬シーズンに向けて、防水マリンウエアの手入れ法

2020.10.18

マリンウエアの多くは、防水性能や撥水(はっすい)性能を備えている。
防水とは、生地の裏側まで水を通さないことで、生地の織りかたや縫製、コーティング、フィルムのような特殊な素材を用いることで達成されている。生地の表面をポリウレタンコーティングして防水性を得ている場合は、経年変化によって“加水分解”が起こってコーティング面がはがれ落ちてしまう。こうなると防水性は復活しない。防水性を長持ちさせるコツは、直射日光や高湿度を避け、風通しのいい状態で保管することだ。
一方、撥水のほうは生地の表面を水滴が転がるような作用のことで、生地を構成する糸に撥水コーティングを行うことで得られる効果。経年変化によって機能が失われていくが、こちらは一定の機能を回復することができる。今回はその方法を紹介しよう。

(文・写真=Kazi編集部/中島 淳)

 

①今回実験に用いたのは、5年以上使用している筆者の私物、ヘリーハンセンのエスペリライトジャケット。おそらく100回は着ただろう

 

②手入れ前の状態。生地の表面に水をたらすと悲しいくらいに染み込んでいく

 

③使用したのは、複数のアウトドアウエアメーカーが推奨しているニクワックス社のアウトドアウエア専用洗剤(左、テックウォッシュ181)と、ウオッシュインタイプの撥水剤(中央、TXダイレクト251)。右は簡単に使えるスプレータイプの撥水剤(今回の手順では不使用)。アウトドアショップや各種ネット通販で、それぞれ1,500円前後で購入でき、左の2本で5~6枚のウエアの撥水加工ができる。この製品に限らず、アウトドアウエア用の洗剤や撥水剤は多くあるので、用途に合ったものを選びたい

 

④防水ウエア専用洗剤、テックウォッシュ181を投入

 

⑤よく泡立てて手洗いして、その後ていねいにすすぐ

 

⑥撥水剤TXダイレクト251を、ウエア1枚あたりキャップ1杯の量を投入

 

⑦しばらくつけ込んで、その後、水洗いする

 

⑧風通しのいい場所でしっかりと乾燥させる

 

⑨ヘアドライヤーで生地の表面を温めると、より撥水効果が高まる

 

⑩撥水性能が見事に復活! 一般的な防水スプレーでは表面のみの効果にとどまるが、このページの方法では糸にまで撥水剤がゆきとどくのでおすすめ

 

テックウォッシュ181
アウトドア用洗剤
●容量:300ml
●価格:1,320円(税込み)

TXダイレクト251
撥水剤
●容量:300ml
●価格:1,870円(税込み)

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