事故で歩けなくなった遥。心を閉ざした彼女が出合ったのはパラカヌーという夢――。
映画『水上のフライト』は、東京パラリンピック・カヌー代表選手である瀬立モニカさんの実話から着想を得て制作されたヒューマンストーリー。公開を前にして『カヌーワールド』VOL.20では、主演の中条あやみさんのロングインタビューを掲載させていただいたが、ご存じのように新型コロナウイルスの感染拡大に伴って公開が延期されていた。
その『水上のフライト』がこのたび、「第33回東京国際映画祭」(10/31・土~11/9・月)の「特別招待作品」部門で上映されることが決定。 なお、全国公開は来月(11/13・金)となる。
(文=CANOE WORLD編集部/星野 淳 写真=©️2020 映画「水上のフライト」製作委員会、舵社/宮崎克彦)
【あらすじ】
大学3年生の藤堂 遥は、オリンピック出場が有力視される走り高跳びの選手。しかし、不慮の事故で脊髄を損傷し、下半身が麻痺してしまう。もう二度と跳ぶことはできない……。絶望に沈む遥だったが、カヌーとの出合いが彼女の人生を変えた。新たな目標、パラリンピック出場を目指し遥はもう一度走り始める──。実在するパラカヌー選手、瀬立モニカさんに着想を得た奇跡のヒューマンストーリー。
[スタッフ] 監督:兼重 淳 脚本:土橋章宏・兼重淳
[キャス ト] 中条あやみ、杉野遥亮、大塚寧々、小澤征悦、高月彩良、冨手麻妙
[配給] KADOKAWA
■第33回東京国際映画祭
[開催期間] 2020年10月31日(土)~11月9日(月)
[会場] 六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)、東京国際フォーラム(千代田区)ほか 都内の各劇場及び施設・ホールを使用
[公式サイト]www.tiff-jp.net
※『水上のフライト』の上映は11/4(水)19:00~、EXシアター六本木にて。
映画『水上のフライト』予告編(60秒)
トレーニングのロケ地は東京の江戸川区、墨田区、江東区の境界を流れる旧中川で行われた。劇中では、沈するシーンなどもあるが、「もともと泳いだり潜ったりすることが好きだったので、落水することに抵抗はなかった」とは、主演の中条あやみさん。もちろん、沈シーンの吹き替えは一切なし。
『水上のフライト』メイキング特別映像
『水上のフライト』主演の中条あやみさん。映画の見どころはたくさんあるが、そのひとつが中条さんが競技用カヌーを漕ぐシーン。バランスを取ることすらむずかしい競技用カヌーで、背筋を伸ばして力強いパドリングを見せるシーンはまさに圧巻だ。練習は大学のプールで行い、あとは実践。カヌー指導のコーチに、漕ぎ方のクセやなどをそのつど直してもらい、最終的には「水の流れやカヌーの動き方もわかり、パドルの入水角度なども考えて漕げるようになった」という。体幹の強さは、中学時代にやっていた部活のバドミントンや、ジムでのトレーリングによるところも大きい。
中条あやみ(なかじょう・あやみ)
1997年大阪生まれ。14歳の時に家族旅行中だったグアム島でスカウトされ芸能界入り。同年、女性ファッション誌『Seventeen』の専属モデルオーディションでグランプリに選出。現在、『Can Cam』専属モデル。2014年には映画『劇場版 零 ~ゼロ~』に初出演にして主演を勤めるなど順調にキャリアを重ねる。また、『アナザースカイ』(2016年・日本テレビ)のMCや、映画の劇中歌でボーカル&ギターを担当するなど、活動の幅を広げている。今回の『水上のフライト』では、藤堂 遥役としてパラカヌーや走り高跳びなどの難演技に挑んでいる。