小笠原諸島の北側を通過
一人乗りで大阪~サンディエゴの太平洋横断航海を成功させた辛坊治郎さんは、現地時間6月22日、愛艇〈カオリンV〉(ハルベルグ・ラッシー39)とともに日本に向けてサンディエゴから再び出航した。
出航から59日が経った日本時間8月20日夜時点の位置は、北緯30度/東経141度の海域。この1週間で1,000km以上を走って、すでに小笠原諸島の北側を通過、目的地の大阪まで直線距離で700kmあまりと、いよいよラストスパート。往路の航海(69日)と合わせて、すでにまる4カ月以上を海上で過ごしている辛坊さんの航海は、順調にいけば来週の8月24~25日にフィナーレを迎える見通しだ。
復路の出航前に、「もしかしたらハワイや小笠原諸島に寄るかもしれない」と話していた辛坊さんだか、結局、復路も無寄港の航海になりそうだ。
現在位置は古野電気の辛坊さん応援ウェブサイトで、ほぼリアルタイムで更新されている(PC閲覧推奨)。右端のフラッグは、復路スタート地サンディエゴの位置で、そこから左上の航跡は往路の航跡だ。ギザギザの航跡を描いた往路の航海(上)と比較すると、復路の航海(下)はスムーズな航跡で、順調に進んでいることが見てとれる。
昨日発生した台風の影響は・・・
ここ最近の航海はいたって順調。北緯20度以南の貿易風帯を離れて北上してからも、追い風や横風が吹く機会が多く、無理することなく5ノット程度のスピードを維持して、本州へと向かっている。
昨日フィリピンの東方で発生した台風12号についても、現在予想されている進路であれば、辛坊さんが嵐に巻き込まれるような状況ではなく、天候は辛坊さんに味方してくれそうだ。
また、周囲に陸地のない「太平洋ひとりぼっち」の航海を続けてきた辛坊さんにとっては、日本が近づいてきて、大型商船などと出合う機会が増えることも、心配の種。
長い航海で、艤装品やセールには細かな破損が頻発しており、大きなトラブルにつながらないかも心配だ。
往路の航海では、出航前の姿とは大きく違う、まるで仙人のような姿でサンディエゴに到着した辛坊さん。来週はどんな姿で大阪に現れるだろうか。残り日数が計算できる状況になった今、積載している清水を減らすために、頻繁にシャワーを浴びているという辛坊さん。もしかしたらサッパリとした顔で登場するかもしれない。
この『舵オンライン』での次の辛坊さんに関する情報は、辛坊さんの帰還を待つ、大阪の淡輪ヨットハーバーからお届けする予定です。
■波乱万丈の往路航海を追体験
辛坊さんの公式YouTubeチャンネル『辛坊の旅』では、7月4日から、往路航海の模様を毎日動画でアップしている。4月9日の出航以降の様子が1日1本ペースで辛坊さんの「自撮り」で報告されており、太平洋横断を追体験できる、非常に興味深い内容になっている。
4月9日から6月17日にかけて行われた往路航海のまとめ。月刊『Kazi』8月号より。禁無断転載。
(文=Kazi編集部/中島 淳)
※辛坊さんの航海についての詳しい記事は、毎月5日発売の月刊『Kazi』5~9月号に掲載しています。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。
辛坊治郎さんの太平洋横断チャレンジを応援しよう!
古野電気の特設ウェブサイト
https://www.furuno.com/special/jp/shinbo-challenge/
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