【水路を航く】#49/富山県射水市・新湊大橋/山と海、二つの絶景をのぞむ
立山連峰をはじめとした標高3,000メートル級の北アルプスから一気に水深1,000メートルの海底に到達するダイナミックな地形の富山湾。
その豊かさは“天然のイケス”と称され、多くのアングラーを魅了する。
そんな富山湾の最奥にある富山新港に架かる新湊大橋は全長3.6キロ、日本海側最大級の斜張橋(塔から斜めにケーブルを張り、橋げたとつないで支える形式の橋)。
上層が車道、下層が歩行者通路という二層構造で、海面からの高さは約47メートルあり、富山湾全景が見渡せるビューポイントになっている。
海上では無料の県営渡船が西側の越ノ潟と東側の堀岡をつなぎ、周辺住民の交通に寄与する。橋から、フネから、それぞれ違った富山湾の表情を感じてみるのも一興だ。
(トップ画像説明)
秋の気配を感じ始めた11月初旬。早くも雪化粧姿の立山連峰を背景に、橋の上部へつながる道の曲線も美しい新湊大橋。海上に目を転じると、ゆっくりと進む和船の姿があった
富山新港の入り口に架かる新湊大橋。堀岡を出航した渡船が港内を横切るように越ノ潟へ向かっている
新湊大橋の下層を通る歩行者通路「あいの風プロムナード」は、6時から20時(5〜10月は21時)まで利用可能
越ノ潟と堀岡の間770メートルをつなぐ県営の渡船。現在は始発の6時44分から最終の20時29分まで69便が運航。所要時間は5分と短いが、小さな船旅を楽しめる
商船学校の練習船として活躍した帆船〈海王丸〉は、“海の貴婦人”と称される優美さ。夜間には新湊大橋とともにライトアップされ、デートスポットとしても人気
富山新港とつながる内川に架かる東橋は、スペインの建築家、セザール・ポルテラ氏がデザインした、全国でも珍しい屋根付きの歩行者専用の橋で、「渡るだけでなく、立ち止まり、時を過ごす憩いの橋」がコンセプト
ベンガラに塗られた屋根の上には、太陽と月をかたどった風見が。内川と川沿いの町並みが一望できる
日の出前、東の空がほのかに色づく雨晴(あまはらし)海岸。長時間露光で撮影しているため海面の小さな波は消え、独特の滑らかなたたずまいに
日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
第49回は、『ボート倶楽部』2023年2月号に掲載された、富山県射水市・内川エリアの風景をお届けします。
(※本記事の取材は2021年の11月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)
(文・写真=舵社/山岸重彦)