1月21日に、商船三井さんふらわあが運航するLNG燃料フェリーの新造船〈さんふらわあ かむい〉が、茨城県大洗港と北海道苫小牧港を結ぶ深夜便航路に就航した。船の総トン数は従来の約1.4倍に拡大し、積載能力も向上。また、客室設備も充実しており、快適な海の旅を楽しむことができる。
船名に使われている「かむい」はアイヌ語の言葉。日本語の「神」と近いニュアンスを持っており、「人間以上に強力な大いなる力」を意味する神聖な言葉である。同社はこの船名に、「伝統と未来をつなぎ、美しい海を守る」という強い願いを込めている。
LNG燃料フェリーということで、近年課題となっている環境負荷低減への期待も高く、環境に優しい新時代のフェリーとの呼び声が高い。
デザインも従来の〈さんふらわあ〉から大きく変更されている。風力を推進力に利用する丸みを帯びた船首構造に加え、深いブルーと混じりけのないホワイトのツートンカラーがひときわ目を引く。これは、「夜明けの海」と「新しい時代を照らす光」を表したもの。
ただ、以前よりおなじみであった〈さんふらわあ〉のトレードマークである大きな太陽マークは残したことで、遠くからでも一目で〈さんふらわあ〉だと分かるだろう。2番船となる〈さんふらわあ ぴりか〉も2025年春頃、同航路に就航予定。船体デザイン、コンセプトは〈さんふらわあ かむい〉と共通だが、内装はそれぞれ異なる特色を持つ。
スケジュールさえ許せば、事前にダイヤを調べて、行きと帰りで両方の姉妹船を堪能するというのが、これからの〈さんふらわあ〉船旅の選択かもしれない。
コンフォートSツインの客室の様子。プライベート空間が確保され、家族や友人たちともくつろげる
スーペリアウィズペットインサイド(洋室)は、ペットともにくつろぐことができる客室。この部屋なら愛犬にも寂しい思いをさせずに済む
展望浴場&サウナも完備。大海原を眺めながらお湯につかることができるのはまさに船旅ならでは。タオルは自身で用意するか、有料での貸し出しも行っている
2番船となる〈さんふらわあ ぴりか〉も、着実に就航への準備が進んでいる。ぜひ両姉妹船に乗船し、その内装の違いを味わってみたいものだ
商船三井さんふらわあ公式HP
https://www.sunflower.co.jp/
(文=有賀航平/Kazi編集部 画像提供=商船三井さんふらわあ)
この記事は月刊『Kazi』5月号の記事を再編したものです。ご購入はこちらから。
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