ヤンマーの舶用水素燃料電池システムを搭載した旅客船〈HANARIA〉|マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー2024を受賞

2025.07.29

ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーパワーテクノロジーの舶用水素燃料電池システム「GH240FC」を搭載した旅客船〈HANARIA〉(タイトル写真参照)が、「マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー(土光記念賞)2024」を受賞した。この賞は、日本マリンエンジニアリング学会が、マリンエンジニアリング分野での優れた技術に対して授与するというもの。〈HANARIA〉にかかわる、ヤンマーパワーテクノロジー、商船三井テクノトレード、本瓦造船、トヨタ自動車の合計4社が受賞した。

 

〈HANARIA〉

●全長:33m
●全幅:10m
●総トン数:238トン
●定員:100名
●使用燃料:水素&バイオディーゼル燃料のハイブリッド
●推進方式:電気推進(EV)
※門司/小倉/唐戸にて各種クルーズを運航中

 

左から順に、トヨタ自動車 水素事業推進部/田辺新一氏、本瓦造船 代表取締役社長/本瓦 誠氏、商船三井テクノトレード 特別顧問/川越美一氏、商船三井テクノトレード 代表取締役 社長執行役員/福島正男氏、ヤンマーパワーテクノロジー 取締役 特機事業部部長/廣瀬 勝氏、日本マリンエンジニアリング学会会長/高畑泰幸氏

 

〈HANARIA〉は、内航船のカーボンニュートラル化に貢献するためのゼロエミッション船の先駆けとなる、水素とバイオディーゼルを使った日本初のハイブリッド型旅客船だ(運航:商船三井テクノトレード)。この船には、ヤンマーグループ初の水素燃料商品である舶用水素燃料電池システムや、ヤンマーが開発したリチウムイオンバッテリーシステム、そして船内全体の電力供給を統合制御するシステムが搭載されている。

運航時には、水素燃料電池システムとリチウムイオンバッテリーのみで航行するゼロエミッションモードと、水素燃料電池/リチウムイオンバッテリー/バイオディーゼル発電機が並列運転するハイブリッドモードの切り替えができるという、世界でも例のないもの。電動化への取り組みが進む船舶業界において、エンジンを活用しつつ環境負荷の低減を図るというシステムであり、、旧来の化石燃料船と比較してCO₂排出量の53~100%削減を実現。さらに騒音や振動、排ガス臭を大幅に低減することで乗客の快適性も向上させている。

GH240FC(水素燃料電池システム)

●定格出力:240kW×2台
●外形:W2,700×D1,100×H1,700(mm)
●質量:2,400kg
●燃料:水素(ISO14687type I, Grade D)
●排気:ゼロエミッション(CO2、 NOx、SOx、PM排出ゼロ)

 

なお〈HANARIA〉は、日本船舶海洋工学会が技術的、芸術的、社会的に優れた船舶に授与する「シップ・オブ・ザ・イヤー2024」にも選定されている。今回はダブル受賞となったが、両賞が始まって以来、初めての快挙である。

ゼロエミッションの時代に向けて、海の世界でも着々と歩みが進められている。こういったシステムのさらなる進化に、今後も大いに期待したい。

 

(文=安藤 健/舵社 写真提供=ヤンマーホールディングス)

 

(問い合わせ)
ヤンマーホールディングス
https://www.yanmar.com/jp/

HANARIA
https://hanaria.jp/

マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー(土光記念賞)2024
https://www.jime.jp/uploads/ckfinder/pdf/2025/MarineEnginierofYear2024.pdf

シップ・オブ・ザ・イヤー2024
https://www.jasnaoe.or.jp/soy/

 

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