11月8日14:20(日本時間同日22:20)、単独無寄港無補給世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ2020-2021」は、フランスのレ・サーブル・ドロンヌからスタートした。
スタートラインに立ったのは、9カ国33人のセーラーたち。日本からは、白石康次郎(DMG MORIセーリングチーム)が参加しており、自身2度目の出場である。なお、スタートの予定時刻は13:02だったが、海面に立ち込めた濃霧のため4度延期され、最終的に14:20となった。
全33艇が「ヴァンデ・グローブ2020-2021」に参加。上空では、フランス空軍がレース艇を送り出した(photo by Yvan Zedda / Alea)
話をスタート当日の朝に戻そう。
レ・サーブル・ドロンヌのレースビレッジには、スタート約5時間前の8時すぎから選手が1人ずつ登場し、順にドックアウトしていった。
白石は9時過ぎに、全体の17番目で登場。4年前の前回大会と同じ、居合道の道着に木刀という出で立ちで現れた。周囲の声援に手を振りながら「ありがとう」と答え、時には深々とお辞儀をし、インタビュースポットまで進む白石。インタビュアーに心境を尋ねられ、「ただここに戻ってきたい、それだけです」と話す白石の表情は晴れやかだった。
自艇〈DMG MORI Global One〉では、これまで苦楽をともにしたチームメンバーたちが待っていた。その一人、過去3度ヴァンデ・グローブに出場しているローラン・ジョルダン(愛称:ビルー)も道着姿で白石を出迎えた。
豊富な経験をもとに白石康次郎を支えるビルー。ビルーはヴァンデ・グローブ2000-2001で3位、同2004-2005と2008-2009はリタイアした(photo by Jean-Marie Liot / Alea / Vendée Globe)
レースビレッジからスタート海面に向かう、居合道の道着に木刀姿の白石。ヴァンデ・グローブにおいては、もはや白石のトレードマークともいえるだろう(photo by Olivier Blanchet / Vendée Globe)
14:20、全33艇がスタート。〈BUREAU VALLEE 2〉のルイ・バートンがなんとリコールし、5時間のペナルティーを受けることに。
艇団は順調に進んでいくが、スタートから4時間後、ファブリス・アメデオ〈NEWREST - Art & Fenétres〉が、ヘッドセールのフックに起きたトラブルの修理のため、レースビレッジに引き返すことを決断。ほか32人は、レースを続行している。
日本時間の9日17時の時点で、白石は10位に位置している。各艇の位置は、トラッキングサイトで随時チェックできるので、ぜひご覧いただきたい。
これから艇団はビスケー湾を抜けた後、大西洋を南下していく予定である。勝負はまだ、始まったばかりだ。
(文=Kazi編集部/森口史奈)
■ヴァンデ・グローブ公式サイト
https://www.vendeeglobe.org/en
■トラッキング
https://www.vendeeglobe.org/en/tracking-map