ヴァンデ・グローブ2020-2021/選手紹介④

2020.12.09

12月5日にバウスプリットのタック部分が破損した、白石康次郎の〈DMG MORI Global One〉。白石は、微風で波も穏やかな6日に、半日かけてドッグボーンとリングによる新しいタックシステムを完成させた。7日には取り付けも完了し、〈DMG MORI Global One〉は9日現在、25位に位置している。

 


左写真はリングとドッグボーン、右写真はバウスプリットに取り付け完了後
photo by Kojiro Shiraishi / DMG Mori Global One

 

タックシステムの復旧に関する白石のビデオレポートはこちらからどうぞ

 

トップをひた走る〈APIVIA〉シャルリー・ダランは8日、「スタートしてから最大で最強の嵐」という最大風速55ktの低気圧に接近。現在(日本時間9日10時)のところ、トラブルの情報は入っていない。
さて、ヴァンデ・グローブ2020-2021選手紹介の第4回は、そのダラン、そしてノンフォイル艇(前回大会で白石が乗った旧〈スピリット オブ ユーコー〉)で6位につけているバンジャマン・デュトル、女子選手の中でトップを走るイザベル・ヨシュクを紹介する。

 



photos by Yvan Zedda / Alea & Jean-Louis Carli / Alea

〈APIVIA〉
Charlie DALIN/シャルリー・ダラン

6歳で初めてのセーリングを経験したダラン。ディンギーは主に420級に乗り、ナショナルチームレベルだったという。2006年にサウサンプトン大学を卒業し、ヨットデザイナーを生業にしつつ外洋セーラーとしてのキャリアを築き始めた。ファー52、ポゴ2、フィガロ、M34などでさまざまなレースに出場し、上位に入る。2010年にはアルメル・ルクレアシュ(前回大会チャンピオン)の当時のレース艇〈Brit Air〉のデザインオフィスに加入。2019年のトランザット・ジャックヴァーブル(フランス・ル・アーブル〜ブラジル・サルヴァドール)のIMOCA60クラスで優勝、今大会の予選レース(ヴァンデ・アークティック・レ・サーブル・ドロンヌ)では2位と実力は十分。レース中盤に入ってトップ、このまま優勝を手にするのか!? 

 


11月23日にトップに立ってから、一度も順位を落としていないダラン
photo by Charlie Dalin / APIVIA

 

シャルリー・ダラン
●年齢/生年月日:36歳/1984年5月10日
性別:男性
出身地:フランス・ル・アーブル
出場回数:初
進水年月日:2019年8月5日
セールナンバー:FRA 79
フォイル:あり
チームベース:フランス・ポート ラ フォレ
●公
式サイト:http://www.charliedalin.com/

 



photos by Jean-Marie Liot / Alea & Jean-Louis Carli / Alea

〈OMIA - WATER FAMILY〉
Benjamin DUTREUX/バンジャマン・デュトル

8歳からセーリングに親しみ、フランス・ヴァンデ県大西洋沖のユー島のセーリングクラブに入る。4年後、本土のフロマンティーヌセーリングクラブで活動する。16歳でフランス代表入り。大学卒業後はボートメーカーに3年勤め、2014年からヴァンデ・グローブ出場のためにトレーニングを開始。2018年、白石が前回大会で使用した〈スピリット オブ ユーコー〉を手に入れ、2019年にIMOCA 60での初セーリングを経験。今大会が初の単独世界一周ということで、経験が浅いように感じられるかもしれないが、順調に上位をキープしている。

 


日本で〈スピリット オブ ユーコー〉に乗せてもらったことのある人には、この船が懐かしく感じられるかもしれない
photo by Benjamin Dutreux / OMIA - Water Family

 

バンジャマン・デュトル
●年齢/生年月日:30歳/1990年4月5日
●性別:男性
●出身地:フランス・ヴィルヌーヴ=ダスク
●出場回数:初
●進水年月日:2007年7月3日
●セールナンバー:FRA 09
●フォイル:なし
●チームベース:フランス・レ・サーブル・ドロンヌ
●公式サイト:https://benjamindutreux.fr/

 



photos by Olivier Blanchet / Alea & Jean-Louis Carli / Alea

〈MACSF〉
Isabelle JOSCHKE/イザベル・ヨシュク

ドイツ人の父とフランス人の母の間に生まれる。5歳の時、家族と休暇で訪れたオーストリアの湖でOP級に乗ったのが、初めてのセーリング経験だという。2005年にミニトランザットに初出場し、14位。2007年の同大会では、第1レグでトップを飾る。クラス40などでもトレーニングを続け、今回が初のヴァンデ・グローブとなる。ヴァンデ・グローブ1992-1993のチャンピオン、アラン・ゴティエがチーム・マネジャーを務める。

 


作業着に身を包み、船尾付近で作業をするヨシュク
photos by Isabelle Joschke / MACSF

 

イザベル・ヨシュク
●年齢/生年月日:43歳/1977年1月27日
性別:女性
出身地:ドイツ・ミュンヘン(フランスとの二重国籍)
●出場回数:初
●進水年月日:2007年7月4日
●セールナンバー:FRA 27
●フォイル:あり
●チームベース:フランス・ロリアン
●公式サイト:https://isabellejoschke.com/

 

(文=Kazi編集部/森口史奈)

 

●Vendée Globe公式サイト
https://www.vendeeglobe.org/en
レースのトラッキングサイト(現在位置)
https://www.vendeeglobe.org/en/tracking-map

●「ヴァンデ・グローブ2020-2021選手紹介」掲載済みの記事はコチラ

bnr_phonak_part1.jpg

この記事を SNS でシェアする

ヨットレース

2025.03.18

第48回 舵杯ヨットレース、エントリー大・大・大募集中! 高松でおいしい讃岐うどんが待ってるよ!

毎年多くのセーラーの参加で盛り上がる舵杯ヨットレース。 今回は香川県の高松を舞台に、4月12(土)、13日(日)に開催される。 エントリー締め切りは 3月28日(金)。まだの方は、皆さまエントリーお急ぎください! 舵杯というと、白石島(岡山県)開催の印象を持つセーラーも多いと思うが、ここ10 年を振り返ると2014、2015年が岡山県・牛窓ヨットハーバー、2016年が兵庫県・サントピアマリーナ(淡路島)、2017年が和歌山県・和歌山マリーナシティ、2018、2019年が香川県・高松市ヨット競技場、コロナ禍で休止し2022年が淡輪ヨットハーバー、2023年が高松市ヨット競技場、2024年が和歌山マリーナシティ開催、そして今回は3回目の高松開催となるのだ。 前大会の総合優勝&IRCクラスI優勝は〈グランデッセ〉(X35)。連覇なるか!? 第48回 舵杯ヨットレース 大会日程:2025年4月12日(土) 大会受付、艇長会議、開会式、前夜祭: 2025年4月13日(日) レース会場:せとうちサスティナブルヨットハーバー(高松市ヨット競技場)および高松沖 運営 :第48回舵杯 ヨットレース 実行委員会(香川フリート) 共同主催:JSAF加盟団体外洋内海・香川県ヨット連盟 後援:舵社、香川県、高松市、高松観光コンベンション・ビューロー、四国新聞社、RNC西日本放送、KSB瀬戸内海放送 協賛:Gill Japan 協力:マリーナペラガス、高松マリーナ、ロイヤル香川ヨットクラブ 申込受付期間: 2025年2月3日(月)10:00~3月28日(金) 参加申込書と提出書類を送付し、参加料を振り込むこと。参加料の振り込みをもって申し込み完了とする。 申込に必要な書類 ・参加申込書 ※Excelのまま送付 ・船舶検査証のコピー ・保険証券のコピー ・「IRCクラス」に参加する艇は「IRCレーティング証書」のコピーも提出すること。 なお「セカンダリー証書」を使用の場合は、必ずその証書を提出すること。 ▼提出期限 :4月4日(金)15:00必着(E-Mail、FAXまたは郵送) では、昨年の和歌山マリーナシティ開催の楽しい写真を再アップします! (文=中村剛司/Kazi編集部 写真=山岸重彦/舵社、 中村剛司/Kazi編集部) ※舵杯ヨットレースの記事は、月刊『Kazi』2025年7月号(6月5日発売)に掲載予定です。バックナンバーおよび電子版をぜひ --------------------------------------------------------------------------------

続きを読む

2025.03.08

過去最多エントリーの大学対抗&U25マッチが開幕|若手セーラー日本一決定戦

愛知県豊川市の三河みとマリーナで開催中の「セイル・オン JYMA選抜 大学対抗&U25ヨットマッチレース 兼 2025 全日本ユースマッチレース選手権大会 (通称:U25&学生マッチ)」。 25歳未満の若手セーラーたちがマッチレース で競う本大会。2012年に始まり、コロナ禍による中止(2021年)を挟み今回で13回目の開催となる。その存在は、ヨット界の若者たちに完全に浸透したと言ってよさそうだ。 今年は全国各地から過去最多の21チームの応募の中、日本ヨットマッチレース協会(JYMA) が選抜した12チームが参戦。大会初日の3月7日(金)は強風によりレースはキャンセルされたが、翌日は軽風の中で各チームが3レースを戦った。 〈若鯨〉(内貴航路郎ヘルムスマン)、〈陸の王者〉(杉若雄山ヘルムスマン)がそれぞれ全勝で暫定首位、2勝1敗で4チームがその背中を追う。 大会は3月9日(日)が最終日、マッチレースユース日本一の称号はどのチームが手にするのか。 舵オンラインでは大会2日目(3月8日)の様子をお届けします。 セイル・オン JYMA選抜 大学対抗&U25ヨットマッチレース 兼 2025 全日本ユースマッチレース選手権大会 3月8日終了時点での暫定成績(参加12チーム)※記載はチーム名(ヘルムスマン氏名) 3勝 若鯨(内貴航路朗)、陸の王者(杉若雄山) 2勝 GATGAT(竹内啓太)、海の王者(須田智也)、Le lien(秋津竜太)、Kyushu University(鈴木英心) 1勝 GRADs(蒔田翔吾)、ゼウス(飯田 澪)、Meijo unv. J/24 class(小林空翔)、仰秀(源 優介) 0勝 KUOSC(藤井琢光)、Team Nudge(工藤海翔) 日本ヨットマッチレース協会 公式Facebook (文・写真=川野純平/Kazi編集部) --------------------------------------------------------------------------------

続きを読む

2025.02.25

自作の木造艇で世界一周するヨットレース|ミニ・グローブ・レース2025って、まじでやばい!

白石康次郎さんがフィニッシュを果たした単独無寄港無補給世界一周ヨットレース、ヴァンデ・グローブが盛り上がる現在、もうひとつの世界一周レースが開催されていることをご存じだろうか? それがミニ・グローブ・レース2025。國米 創(こくまい・はじめ)さん、中山寛樹さん、高原奈穂さんたち若き日本人セーラーが挑戦する大西洋横断レース、 ミニトランザットの採用艇、クラスミニ6.50よりもさらに小さい、クラスグローブ5.80(以前はクラスミニ5.80と呼ばれた)に乗り、世界を5レグ に分けて一周するレースだ。 メインカット | photo by World's Toughest Row / MGR2025 | グローブ 5.80は現在、世界37カ国で100近くのビルダーによって建造されている。次回の2026年大会では、2人乗り部門が設けられる予定 クラスグローブ5.80 ●全長:5.80m ●ハル長:5.70m ●喫水:1.40m ●セール面積 メインセール:12.5m2 ファーリングジブ:7.6m2 / 4.7m2 ジェネカー(A5):25m2 ●排水量:920kg ●キールバラスト:244kg 創設者はドン・マッキンタイア。ゴールデン・グローブレース、ジ・オーシャングローブレース、ミニ・グローブレースなどの仕掛け人。この熱きレースには15艇がエントリー。大西洋横断の予選レグを終え、次回はアンティグアからパナマを目指す第1レグに突入する(2月23日スタート)する。 ドン・マッキンタイア ミニ・グローブ・レース2025の面白いところは、参加者が350ユーロで設計図を購入し、マリングレードの合板によって自作したクラスグローブ5.80によってエントリーしなければならない点。今回のレースにはエントリーしていないが、国内でも日本人が2艇建造し、その一艇、 其田(そのだ)信一さんが自作した〈湖茶丸(こちゃまる)〉は2023年に進水した。その詳細は月刊『Kazi』2024年9月号と、舵オンラインの記事 でも紹介している。 其田信一さんの〈湖茶丸〉 photo by Jumpei Kawano(Kazi) 力強くセーリングする〈湖茶丸〉 photo by Jumpei Kawano(Kazi) それでは、自作木造艇による世界一周ヨットレースに参戦する、シーマンシップと潮っ気の高いセーラーたちの様子を、ダイジェストでお届けする。 レースコース エントリーリスト スタートエリアマップ MiNi GLOBE RACE 2025公式サイト (文=中村剛司/Kazi編集部 写真=World's Toughest Row / MGR2025) --------------------------------------------------------------------------------

続きを読む

2025.02.10

白石康次郎、ヴァンデ・グローブ2024-2025を完走!

2024年11月10日にフランス・レ・サーブル=ドロンヌをスタートした、単独無寄港無補給世界一周「ヴァンデ・グローブ」。日本人唯一にして3度目の出場を果たした DMG MORIセーリングチームの白石康次郎 さんは、フランス時間の2月9日10時36分41秒(日本時間の18時36分41秒)にフィニッシュラインを通過した。ヴァンデ・グローブ2020-2021に続く、チームおよび自身2度目の完走となった。記録は90日21時間34分41秒で24位。トップ画像はフィニッシュ時の白石さんと〈DMG MORI Global One〉(IMOCA60)。 1989年に始まり、今大会で10回目となるヴァンデ・グローブは、過去最多40艇が参加した。低気圧にも果敢に突っ込み、トップを走った〈MACIF Santé Prévoyance〉のシャルリー・ダランが、64日19時間22分49秒の新記録を樹立。前々回の第8回大会の74日3時間35分46秒を約10日も短縮する、驚くべき記録が生まれている。 レースビレッジのステージに登壇した白石康次郎さん。隣は、白石さんの約1時間後にフィニッシュした、今大会最年少のヴィオレッタ・ドランジュ(23歳) photo by Anne Beauge / Alea 白石さんの航跡 ●公式サイト https://www.vendeeglobe.org/en (文=森口史奈/Kazi編集部 写真=Olivier Blanchet / Alea、Anne Beauge / Alea) --------------------------------------------------------------------------------

続きを読む
ヨットレース の記事をもっと読む