銀杯とともに時を刻む/オメガ × アメリカズカップ

2021.04.02

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3月17日、第36回アメリカズカップは、防衛側のエミレーツ・チームニュージーランド(ETNZ)が、挑戦者のルナロッサ・プラダ・ピレリを7勝3敗で下して勝利。"飛ぶ"モノハル(単胴艇)「AC75」が競技艇となった今大会においても、ニュージーランドが強さと速さを見せつけ、"至高の銀杯"と呼ばれるアメリカズカップを守り切った。
(タイトル写真:ⒸCOR 36 / Studio Borlenghi)

 

その最強のエミレーツ・チームニュージーランドのスポンサーでもあり、そしてなにより第36回アメリカズカップのオフィシャルタイムキーパーをも務めているのが、スイスの高級時計メーカーとして知られる「オメガ(OMEGA)」である。

 

世界中のファンに愛されるオメガは、その代表的なシリーズである「シーマスター(SEAMASTER)」を筆頭に、海やマリンスポーツと縁の深いモデルを長くラインアップしていることは、今さら説明するまでもないだろう。そして、セーリングを愛する者にとっての「オメガ」とは、単なる道具やアクセサリーの枠を越え、ともに歩む心強きパートナーというべき存在なのだ。

 

レース中の最高速度が50kt(時速約92km)を超えるフォイリングモノハル、「AC75」が制式艇に用いられた第36回アメリカズカップ。"飛ぶヨット"によるレースは、まさに最先端のものであり、歴史を重ねる中でアメリカズカップというイベントそのものも進化を続けていることを痛感させられる。頂上決戦を制したエミレーツ・チームニュージーランド(左)のヘッドセール(前の帆)や船首周りには、「OMEGA」のロゴが見える
ⒸCOR 36 / Studio Borlenghi

 

オメガとアメリカズカップの縁のはじまりは、1995年の第29回アメリカズカップに遡る。
この大会に参加したのが、「Sir(サー)」の爵位をも与えられた伝説的なセーラーであるピーター・ブレイク卿が率いるチーム・ニュージーランドである。オメガは、スポンサーとしてチーム・ニュージーランドをサポート。同チームは、ディフェンダーであるサンディエゴ・ヨットクラブとの戦いを制覇し、至高の銀杯を南半球へと持ち帰ったのだ。

 

1851年にロンドンで開催された第一回万国博覧会を記念して行われた、ワイト島一周レース。このレースにただ1艇アメリカから参加した〈アメリカ号〉が優勝し、時のヴィクトリア女王から下賜された銀製の水差しが、アメリカズカップの長い長い歴史のはじまりだ
ⒸOMEGA

 

この歴史的な勝利がきっかけとなり、オメガとアメリカズカップの関係は、さらに深いものとなっていく。
2000年の第30回アメリカズカップにおいて、オメガは大会のオフィシャルタイムキーパーを担当。
1848年創業のオメガ。そして、1851年に第1回大会が開催され、すべてのスポーツの中で最古の歴史を誇るというアメリカズカップ。同じように時を刻み続けてきたオメガとアメリカズカップのパートナーシップは、必然的に生まれたものといえるのかもしれない。
言うまでもなくヨットレースとは、1分、いや1秒が勝負の分かれ目となる戦いである。そのわずか1秒の差が勝者と敗者を分ける戦いは、まさに「live or die」。 その証人とでもいうべき重要な役割を、オメガが担っているのである。

 

2000年の第30回アメリカズカップ。ディフェンダーのチーム・ニュージーランド(左)が、チャレンジャーであるイタリアのプラダ・チャレンジ(右)を5勝0敗という圧倒的な成績で下したこの大会。オメガはオフィシャルタイムキーパーを務め、歴史の証人の一人となった
ⒸCarlo Borlenghi

 

その後2003年の第31回大会、そして今回2021年の第36回大会と、オメガとアメリカズカップのパートナーシップは続いている。

勝者が得られるのはただ一つ、"至高の銀杯"と称されるアメリカズカップだけ。何よりも「時」にこだわるアスリートたちが認めたからこそ、オメガはオフィシャルタイムキーパーという役割を与えられている。170年続いたアメリカズカップの歴史とともに、これからも歩みを進めていく。

 

高速で走るヨットを操るアスリートだけが勝敗を競うのではない。アメリカズカップとは技術革新を巡る競争でもあり、あらゆる分野の工学、あるいは気象学に至るまで、開発チームを含むシンジケートとしての戦いなのである。それぞれが威信をかけて戦う国別対抗レースとしての側面もあり、総合力を競い合う競技ゆえ「海のF1」と称されることも多い。上写真は、協議を重ねるエミレーツ・チームニュージーランドの開発チーム
ⒸOMEGA

 

至高の銀杯とともに時を刻む──

アメリカズカップのオフィシャルタイムキーパーとしてのオメガの歴史を、アメリカズカップを記念してリリースされたモデルとともに振り返っていこう。

 

2000年の第30回アメリカズカップで、初めてオフィシャルタイムキーパーを務めることとなったオメガ。デビューを記念してリリースされたタイムピースが「シーマスター プロフェッショナル ダイバーズウオッチ」だ。
もともと縁のあったピーター・ブレイク卿とのコラボレーションによって開発され、シリアルナンバー入りの9999本が限定でリリースされた。波模様をあしらったダイアルには、「AMERICA’S CUP」のロゴマークが刻まれている。

 

続く2003年の第31回アメリカズカップでは、「シーマスター プロフェッショナル アメリカズカップ」を発表。前作に比べると、よりタフで精悍な印象に生まれ変わった。ブラックのダイアル面には、赤と青というセーリングには縁の深い二つのカラーをビビッドに配置。レッドゴールド ベゼルを備えたチタン/タンタリウム製とオールチタン製の2種類が用意され、セーラーの心をつかんでやまないアイコンとして人気を集めた。

 

先ごろニュージーランドチームの勝利で幕を下ろした第36回アメリカズカップでは、まず2020年に「シーマスター プラネットオーシャン 第36回アメリカズカップ リミテッドエディション」がリリースされた。
ホワイトセラミック製ダイアルはポリッシュ仕上げで、6時の位置には「36th AMERICA'S CUP」の文字が燦然と輝く。ダイアルの周囲には、5分間/10分間のカウントダウン表示が施され、よりヨットレースを意識したモデルに進化。ブルーのラバーストラップが付属し、頂点を目指す洋上のバトルにふさわしいアクションウオッチとしての顔も備えている。
「オメガ コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー8900」を搭載したこのモデルは、全世界で2,021本の限定生産。コレクターズアイテムにふさわしいタイムピースとなった。

 

そして第36回アメリカズカップの本戦を前にリリースされたのが、「シーマスター ダイバー300M アメリカズカップ クロノグラフ」である。
44mmのステンレススティール製のクロノグラフで、ブルーセラミック製のダイアルとホワイトエナメル製のダイビングスケールを装備。赤と青のラバープッシャーは、ソフトタッチで、船上で濡れた状態で使用するには機能性に富んでいる。
ダイアルには波模様が施され、「レガッタ カウントダウン インジケーター リング」を備えるほか、船体にインスパイアされたという針、そして秒針にはアメリカズカップのアイコンである「オールドマグ」が象られている。アメリカズカップファン、そしてセーリングファンにはたまらない細かな仕様の数々がたまらない。
オンタイムでも映えるメタルブレスレッドに加えて、付け替え用のラバーストラップも付属。「オメガ コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー9900」を搭載し、圧倒的な信頼感を誇ることは言うまでもない。

 

オメガもまた、エミレーツ・チームニュージーランドとともに歩み、カップを手にした勝者の一人であるのだ。
©Emirates Team New Zealand

 

(文=舵オンライン編集部)

 

(問い合わせ)
オメガお客様センター
TEL:03-5952-4400
https://www.omegawatches.jp/

 

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