神戸大学が三連覇!|外洋学連杯/ANIORU'S CUP2023

2023.03.09

3月4日(土)、5日(日)の2日間、「ANIORU’S CUP2023(外洋学連杯)」が、三河みとマリーナ(愛知県豊川市)を拠点に開催された。

イベントを主催する日本学生外洋帆走連盟は、クルーザーヨットで活動する大学のクラブによって組織される団体。加盟9校は、J/24でのレース活動を中心に行っているところもあれば、30ft程度のクルーザーヨットで長距離航海を実践するなどしているところもある。ディンギーのクラブ活動と違ってレスキューボートもなく、自己責任の下での外洋セーリングを活動の軸とする点が特徴だ。

ANIORU'S CUPは、加盟各校が年に一度集まり、同型艇によって競うというイベントである。

 

コロナ禍で2020年、2021年と中止を余儀なくされたが、2022年に続いて今回も三河みとマリーナのJ/24を使ってのワンデザインレースを実施。前年の優勝校である神戸大学を筆頭に、東京大学、防衛大学校、慶應義塾大学、千葉大学、日本大学の6チームがエントリーした。

 

初日は、時折、風速が20ktを超えるハードなコンディションとなったが、なんとか3レースを消化。2日目は一転して朝から風のない海面が広がったが、スタート予告時刻を早めるなど運営陣の適切な判断もあって、わずかに吹いた風のなかで2レースが実施された。
(※上写真は初日の神戸大学)

 

全5レースを戦った結果、1ポイント差で東京大学の追撃を振り切った神戸大学オフショアセーリングクラブが優勝。2019年、2022年大会に続いての三連覇を達成した。全般を通して、スキルの高さが目立った。

 

2位の東京大学。神戸大学、防衛大学校と同じく、普段からJ/24を使って活動している。第3レースのOCSが痛かった。

 

3位の慶應義塾大学(手前の2号艇)は、昨年の大会を経験したメンバーが多く、初日からトップ集団に食いついていくなど、技術の向上が目に付いた。来年のさらなる躍進を期待したい。

 

4位の防衛大学校。初日の強風での走りに課題が残った。

 

5位の千葉大学。昨年は部員数が少なかったために、日本大学、東京都市大学との合同チームで参加したが、今年は自校での参加。小網代カップなど、オフショアレースにも積極的に参戦している。

 

6位の日本大学は、千葉大学と同じく、今年は自校としての参加がかなった。

 

ANIORU'S CUPの大きな特徴の一つが、準備や運営のほとんどすべてを、この春に大学を卒業する4年生たちの手でまかなっているということ。後輩たちのために、最高のレースを作ろうという気概にあふれている。
レース委員長の青木維摩さん(東京大学4年/マストの左)を中心に、安全第一で適切な判断が見られ、大きなトラブルもなく大会を終えることができた。

なお、本大会ではオンザウオータージャッジを採用。今津浩平氏、渡邉範夫氏の二人のアンパイアが、海面で適切なアンパイアリングをおこなった。

また、ホストマリーナである三河みとマリーナの皆さんの、献身的なバックアップ体制についても触れたい。レース期間中には艇の故障などもあったが、レースの進行に影響がないようにと、営業時間外にも艇の修理にあたるなど、大切な大会のためにサポートしてくれる体制は、学生たちにとっても大変心強かったに違いない。

 

(文=舵社/安藤 健 写真=ANIORU'S CUP 2023実行委員会)

 

●日本学生外洋帆走連盟 公式サイト
https://aniorugakurenn.wixsite.com/website

 


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