アストンマーティンが、F1GPの世界に帰ってきた。2021年からは、正式にF1コンストラクター(製造者)として参戦しているのだ。ちなみにF1コンストラクターとしてのアストンマーティンの参戦は1960年以来であるから、61年ぶりのこととなる。
参戦するアストンマーティンのF1のモデル名は「AMR21」。エンジンはメルセデスAMG製の1.6L・V6ターボを搭載。ランス・ストロールとセバスチャン・ベッテルがステアリングを握る。
[編集部追記]
6月6日に行われた2021年F1第6戦アゼルバイジャンGPでは、セバスチャン・ベッテルが2位を獲得した。1959年から60年にかけての”アストンマーティンF1第一期”における最高位は6位であり、この日の2位フィニッシュは、アストンF1史上最高の成績となった。
2021年のF1GPには、もう一つ、アストンマーティンにとっては記念すべきトピックスがある。それは、これまで24年間にわたってペースカー、メディカルカーの役割を果たしてきたメルセデス・ベンツとともに、アストンマーティンもペースカーとメディカルカーを供給する態勢となったこと。F1マシンと同じアストンマーティン・レーシング・グリーンに塗られたペースカーが、F1マシンを先導する姿を想像するだけで、ファンにはたまらない光景だ。
ヴァンテージをベースにしたペースカー(左)と、DBXをベースにしたメディカルカー(右)
そしてアストンマーティンは、このペースカーの採用を記念して、ヴァンテージをベースとした特別仕様車の「F1エディション」を発売することを決定。ボディーはクーペとロードスターの両方を選択することができる。設定されているボディーカラーは、F1マシンにインスパイアされたグリーンのほかに、ホワイト、ブラックの3色。インテリアも実にスパルタンな仕上げだ。搭載されるエンジンは535psと25psパワーアップ。ミッションの改良や、ダンパーのアップグレードによるシャシーの強化も図られているという。
「ヴァンテージF1エディション」のカラーは、アストンマーティン・レーシング・グリーン、ブラック、ホワイトの3色
ノーマルのヴァンテージとは異なるスペック、装備を持つ。フロントには専用のグリルのほかにカナードが装着され、リアにはウイングが、そしてもちろんリアにはライトバーが装備される
フロントスポイラーは、最高速でのダウンフォースを200kgも増加させる効果を持つ
インテリアもレーシーな雰囲気でまとめられている。ライムグリーンのハイライトで強いアクセントを演出しているのはAMRモデルでも見られた手法。フォーミュラー・エディションとはいえ、快適性も非常に高い
F1GPを観戦して楽しむだけではなく、そのパフォーマンスの一端を確実に味わうことのできる、ヴァンテージF1エディション。英国本国での価格は標準モデルに対して2万ポンドほど高い設定となっているが、それだけのバリューは十分にあるモデルといえるだろう。アストンマーティンの躍進は、まだまだ終わりを知らない。
(文=山崎元裕 写真=アストンマーティン)
[スペック]
ASTON MARTIN VANTAGE F1 EDITION
○全長:4,490mm ○全幅:1,942mm ○全高:1,274mm ○車両重量:1,570kg
○エンジン:オールアロイ製 DOHC 4.0L・ツインターボ V8
○最高出力:535PS/527bhp/6,000rpm ○最大トルク:685Nm/2,000~5,000rpm
○加速:0~100km/h3.6秒 ○最高速度:314km/h
(問い合わせ)
アストンマーティン・ジャパン
TEL:03-5797-7281
http://www.astonmartin.com/ja
※本記事は「プレミアム・ボーティングvol,08」に掲載された記事を再構成したものです。最新刊もぜひご覧ください。
あわせて読みたい!
●「RIVIERA PREMIUM BOAT SHOW 2020」記事はコチラ