未経験者やビギナーからすると、どうにも入り口が分かりにくい、ヨット、モーターボート遊びの世界。そんな方の素朴な疑問にお答えする「フネ遊びの素朴なギモン」シリーズを、何回かに分けてお届けします。
Q. フネの維持費ってどれくらい?
A. サイズによって違いますが、置き場代以外に年間数十万円はかかると思っておきましょう。
フネを購入する前に知っておきたいのが、フネの維持費。保管料については以前の記事を参照していただくとして、ほかに以下のようなものがあります。もちろんフネの種類やサイズによって違ってきますが、どんな項目があるかくらいは把握しておきましょう。
■保管料
過去の記事を参照。
■燃料代
軽油かガソリン。ヨット(セールボート)なら月に数千円。小型モーターボートの釣りなら1日3,000~5,000円、大型モーターボートは1日数万円になります。
燃料費は、やはりモータボートよりセールボートのほうが安くなります。セールボートのエンジンは10~30馬力程度のものがほとんどです。
■船舶検査
自動車の車検に相当。6年ごとの定期検査と3年ごとの中間検査があり、定員12人以下の30ft艇の場合、定期検査24,300円、中間検査14,900円。
■任意保険料
船体、賠償責任、搭乗者傷害、捜索費用などがセットになった「ヨット・モーターボート総合保険」。30ftの中古艇で年間2~3万円といったところ。
■船底塗装/上下架料
海上係留艇の場合、年に1回は船底の塗り直しが必要で30ftでプロに依頼すると10~15万円程度。塗料を購入して自分で行えば、ずいぶん節約できます。陸上係留艇の場合は上下架往復で数千円~2万円程度で、年間保管料に含まれる場合もあります。
海上係留艇の船底塗装費用(年1~2回)は無視できないコスト。
■救助費用
自動車のロードサービスにあたる救助・えい航サービス「BAN」に入会しておくと安心。年間会費18,000~36,000円。
■そのほか
修理費用やエンジンオイル代、艤装品の交換費用など。
維持費が高いと感じたら……
ランニングコストが高いと感じたら……。フネの世界では複数の人数で1艇のフネを持つ“共同オーナー”が珍しくありません。2~3人で持つことが多いようです。お金がからむことなので、信頼できる仲間がいれば検討できます。あきらめずに、いろいろな方法を探りましょう!
(文・写真=Kazi編集部/中島 淳)
※この記事は月刊『Kazi』2021年11月号に掲載された内容を再編したものです。この号の特集は「今から始めるヨット&ボート」と題し、フネ遊びの世界へのアプローチ法の“王道”を具体的に紹介。ディンギーだけの経験者がクルーザーの世界へ、あるいはクルーザー乗りがモーターボート遊びに挑戦、こんなケースにも役立つ情報も掲載しています。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。
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