9月10日から始まったカンヌ・ヨッティングフェスティバル(フランス)。ヨーロッパにおけるボートショーシーズンの始まりを告げるこの大きなイベントに合わせ、ベネトウ(Beneteau)から注目のニューモデルがリリースされた。
新たに発表されたのは「ファースト30(First 30)」。ファーストシリーズでは、現行の27と36の間のサイズレンジを埋めるモデルであり、スポーツボートとしての性格が色濃く出ているようだ。
このファースト30の発表に際して、ベネトウでは次のようなコメントを出している。
「今世紀に入るまで、小~中型のレーサー/クルーザーというのは、セーラーが求めるニーズに完璧にマッチしていました。しかし時代は変わり、レーサー/クルーザーはセーリングの世界では人気の片隅に追いやられてしまった。今日のセーリングは、レースというよりも、自然とのつながりや大切な人たちとの楽しみを重視したものです。そして私たちは、セーラーが伝統的なレーサー/クルーザー以上のものを必要としていることに気づきました」
そんな中で、ベネトウではセールボートの新しいカテゴリーとして、「プレーニング・クルーザー」を造ることを決めたという。今年140周年を迎えたベネトウの経験と伝統をベースに、卓越したパフォーマンスと抜群の使いやすさを兼ね備えたファースト30が誕生した。
ベネトウは、小型スポーツボートの分野で実績のあるシースケープ(ベネトウ傘下)と組み、世界トップクラスのデザイナーとエンジニアからなるチームを結成。新しいファースト30の開発にあたった。
今日のセーラーのニーズに合わせて設計されたこのボートは、素早く簡単にプレーニングでき、しかも2倍のスピードでセーリングしても、驚くほど扱いやすいという。
軽い船体、シンプルなリグ、すっきりとしたコクピットを備え、セーリングを楽しむにあたって大勢のクルーや激しいトレーニングは必要ない。ショートハンドでもファミリーでも、そして、どんなコンディションでも、楽しく安全にセーリングできるということがポイントだ。
船内空間も、新しいコンセプトに沿うものとなっている。ジンバル式のコンロと冷蔵庫を備えたギャレー、ヘッドルーム、十分な広さが確保されたバウキャビンとアフトキャビン──個性的かつ居心地のよい空間が広がっている。2つのキャビンに合計4人が宿泊することが可能で、数日~1週間程度のクルージングも快適に過ごせるに違いない。
オプションの「プレミアムパック」を選択すれば、より高級感あふれるインテリアの素材をあしらうことも可能だ。
デッキプランは、デイセーリングやクルージング向けの仕様と、レーサー向けの仕様が用意されるとのこと。コクピットはゆったりとしたレイアウトになっており、快適に過ごすことができ、かつ動きやすいということもポイントだ。レーサー向けの仕様では、メインシートトラベラーなどが装備される。
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1977年デビューの伝説的なモデルであるファースト30。モデルチェンジを繰り返し、現代に至るまで進化を続けている。スピード感あふれるセーリングを楽しむことができ、ハンドリングも容易、快適なクルージングも実現してくれる、新しいファースト30。
2025年1月のデュッセルドルフ・ボートショー(ドイツ)で、実艇がお披露目される予定だ。
(文=舵社/安藤 健 画像提供=Beneteau)
【SPEC】
●全長:10.33m
●ハル長:9.35m
●全幅:2.95m
●喫水:1.98m
●軽荷排水量:3,150kg
●バラスト重量:1,070kg
●セール面積:メイン28.2㎡、ジブ29.8㎡、マストヘッドジェネカー98㎡
●燃料タンク:50L
●清水タンク:120L
●エンジン:14馬力
(問い合わせ)
ファーストマリーン
TEL: 046-879-2111
https://www.firstmarine.co.jp/
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