パラオのジュニアセーラーたちが横浜の海で羽ばたく|横浜港ボート天国

2024.07.08

7月7日(日)、横浜港・みなとみらいの臨港パーク沖を舞台に「第37回横浜港ボート天国ディンギーヨットレース」が開催された。

本レースには、横浜市で活動するジュニアヨットクラブ3団体の子どもたちをはじめ、一般社団法人 日本パラオ青少年セーリングクラブ(JPYSC)が招いた7人のパラオのジュニアセーラーが参加。OP級に乗ってみなとみらいの海に飛び出し、港ヨコハマの中心地で貴重なセーリングを満喫した。

 

このイベントは今年で37年目を迎える。普段はセーリングはできない海面だが、ボート天国のイベントにおいては、みなとみらいの観覧車やベイブリッジを背景にレースが実施されている

 

特にパラオの少年たちからは、日本のジュニアセーラーとレースで競うことができるこの機会にかける意気込みがひしひしと伝わってきた

 

2019年の日本パラオ親善ヨットレースを契機に、パラオの子供たちにセーリングを伝える活動がスタートした。一般社団法人 日本パラオ青少年セーリングクラブ(JPYSC)も設立され、現在はコーチ(仙田悠人さん:上写真後列)を現地に派遣している。「子どもたちはこの1年間、まじめにヨットの練習を続けてきました。自分たちがやってきたことが、どれだけ通用するか楽しみにしているようです」と仙田さんは話す

 

昨年の同大会は強風となり、思うように走ることができなかったというパラオの子どもたち。4〜6ktほどの軽風で実施された今年は、レース慣れした日本の上位選手が一枚上手を取っていったものの、そんな彼らとパラオの選手たちが互角に走り合うシーンも多く見られた。仙田さんたちが積み重ねてきた努力は、しっかりと形となって現れたようだ

 

レースの合間に仙田さんが乗るサポートボートに近寄って来るパラオの子どもたちの表情にも、確かな手応えと、もっと上を目指したいという前向きな気持ちが感じ取れて、とても印象的だった。また、JPYSCの発起人である新田 肇さん(上写真)は「Palau Sailing Association(PSA)が設立され、目標とするのはパラオからの2032年のブリスベン五輪の出場です。今回参加したこの子どもたちがそのチャレンジの中心となるはずなので、貴重な体験になったと思います」と話す

 

今回パラオの子どもたちが手にしたのは、レースでの手応えだけではない。表彰式では、日本のジュニアたちからOP級を模したお手製のキーホルダーが、パラオのジュニアたちにプレゼントされた。これは昨年の大会でパラオの子どもたちから贈られたプレゼントのお返しとのこと。こうして交流を重ね、気持ちが通じ合ったことをパラオの子どもたちが感じ取れたことは、非常に意味のあることではないだろうか

 

セーリングを通じて彼らの世界が広がっていく様子を目にして、このアクティビティーが持つ魅力と、両国のジュニアセーラーを結ぶ取り組みの意義を改めて感じることができた。こうした取り組みがより多くの方々の理解と応援を得て、末長く続いていくことを願ってやまない

 

(文・写真=Kazi編集部/川野純平)

 



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