【取材余滴】屋根がボートになる軽トラック用コンテナ

2021.08.28

現在発売中の『ボート倶楽部』9月号の巻頭特集は「推奨! ボート&キャンプ」。その西伊豆での取材中、とってもユニークな軽トラック用コンテナに出合ったのでご紹介します。 

 

(文=Boat CLUB編集部/星野 淳 写真=舵社/宮崎克彦、写真提供=タカギ/エフ・アール・ピー・クラフト)  

 

西伊豆のキャンプ場「伊豆松崎あそび島」の敷地に置かれていた軽トラック。荷台を見るとコンテナが積まれ、屋根に目を転じると・・・・・・なんだか見慣れたフォルムではないですか! そう、なんと屋根がミニボートになっていて、外して水に浮かべればそのままボート遊びができるという、なんとも画期的な軽トラック用コンテナだったのであります。名前は「Noa(ノア)」と言うそう。 

ミニボートは2馬力エンジンが搭載可能。取材当日、実際に松崎の海での走航シーンも見たのですが、非常に綺麗にプレーニングしていて、実に軽快な走りっぷりが印象的でした。 

 

 

それもそのはず、この「Noa」、明治43年に創業したというタカギ/エフ・アール・ピー・クラフト (旧高木造船所)が製作を担当しているんですね。 高木造船所は、江戸時代から4代続く造船職の家に生まれた高木治助さんによって始まったそうですが、創業した年に建造した「八幡丸」は、民間船としては静岡県下最初の動力漁船として知られています。
ちなみに、治助さんは大正初期になるとアメリカ合衆国に渡り、約5年間シアトルの造船所にて造船技術を習得。帰国後、そこで培われた技術をもって遠洋漁船の建造、修理に専念したとのこと。要するに知る人ぞ知る名門の造船所なんです。 

「Noa」は、おもに災害時を意識して開発したとのことで、 「普段は、荷物運搬用のコンテナや軽トラキャンパーの代用として、災害時にはレスキューボートとして、また、避難所では車中泊用のコンテナとして」というのがそのコンセプト(実用新案登録済)。
ただ、昨今のキャンプブームによって、車中泊&ボート遊び用にといった引き合いも少なくないそうです。 

 



コンテナの壁内には断熱材が入っていて、窓も各壁面に用意。車中泊時の居住性はなかなかのものです。屋根のボートを降ろした際は、FRP製のビーム(梁)をセットし、シートを張って屋根にすることもできます。
また、窓を網戸用の引き戸にしたり、コンテナの高さを高くしたりなど、オーダーする際はユーザーの要望にもいろいろ対応してくれるので安心です。 

 

さらに、ボートは、12Vの電動ウインチを使って上下架するシステムも用意されているそうです。 以下の動画はその上下架のテストの様子。 

 

ということで、取材先で出合った、屋根がボートになる軽トラック用コンテナ「Noa」は、老舗造船所が造った実にユニークなトランスポーターでありました。基本的にはコンテナの製作・販売となりますが、軽自動車もセットになったコンプリートモデルの販売も可能だそうです。
ご興味のある方はお問い合わせを。

 

■屋根がボートにもなる軽トラック用コンテナー「Noa(ノア)」
・全長:310cm(ボート部/屋根部)、190cm(コンテナ部)
・全幅:135cm(コンテナの幅)
・重量:80kg(コンテナー部+ボート部)、46kg(ボートのみ)
※ボートは、2馬力以下の船外機や1.5kW以下のモーターなら免許・船検不要。ボートの定員は2人。
※軽トラック荷台からコンテナごと揚げ降ろしが可能。ボート(屋根)のみを取り外しての揚げ降ろしも可能。

 

(問い合わせ)
タカギ/エフ・アール・ピー・クラフト
静岡県賀茂郡松崎町道部816-42
TEL:0558-42-1229
https://takagihomepage.sakura.ne.jp/ 

 


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