アメリカ・カリフォルニア州に拠点を構えるボートビルダー、「Mag Bay Yachts(マグベイヨット)」。このほど、グレートカンパニー(大阪府大阪市)とハウンツ(神奈川県横浜市)が、日本での取り扱いを開始した。現在同社では、33フィートから44フィートのセンターコンソール艇やエクスプレスを4モデルラインナップ。その特徴を一言でいえば、圧倒的なクオリティーを誇る高級フィッシングボートといえるだろう。本物を志向する目の肥えたユーザーたちからも、高い評価を得ている。
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マグベイの歴史の原点は1969年までさかのぼる。南カリフォルニアでボート用のFRP製のパーツやプラグを造るようになったマイク・ハワース(Mike Howarth)は、ボート業界でのキャリアをスタート。やがて、Pacific Trawler社、そしてIslander Yachts社へと転職を重ねるなかで、 ヘンリー・モアシュラット(Henry Mohrschladt)と知り合い、二人はパシフィックシークラフト社を創業。ダナ24、フリッカ20といったセーリングクルーザーの建造で大きな成功を収めた。
数千艇をセーリングクルーザーを建造したのち、1989年にパシフィックシークラフト社を売却。その1年後、二人は35フィートのフライブリッジ・スポーツフィッシャーの建造に取り掛かり、さらにその1年後に最初の「カボ(Cabo)」が完成した。カリフォルニア州アデラントを拠点とするこの新しい会社が生み出すボートは、その品質や完成度において他の追随を許さず、再び彼らは勝利のコンビネーションを生み出した。カボヨットは大成功を収め、二人は16年間同社の経営に携わった後、ブランズウィックに同社を売却した。
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一方、1989年に生まれたハワースの息子であるバレット・ハワース(Barret Howarth)は、成長するにつれてボート造りに熱中した。やがてマイクとバレットの親子は、かつての造船所のスタッフの中から選りすぐりの人材を集め、高品質なボートを世に送り出すべく立ち上がった。そう、これがマグベイの誕生の瞬間だ。
最初の構想は、33フィートのセンターコンソールという形になった。デザインを手掛けたのは、カボでも実績を残し、一流のボートデザイナーとして知られるマイケル・ピーターズだ。
マグベイの成功のカギは自分たちのチームにあると、ハワース親子は話す。
「私を含めてたった3人でスタートしたカボは、会社を売却するときには540人の最高の人材がいました。 正直なところ、私たちは世界最高の職人たちに恵まれたと思っています。ボートは今でも手作業で作られている数少ないものの一つであり、そのクオリティーは職人ひとりひとりの技術と経験、そして仕事に対するプライドにかかっているのです」(マイク)
「うちのスタッフはみんな、父と一緒にカボでボートを造った仲間で、家族のようなものです。私と父のビジョンが現実のものとなったのは、彼らの勤勉で献身的な取り組みがあってこそ。彼らはこの事業の心臓であり、魂なのです」(バレット)
マグベイは、かつてハワースがかかわったパシフィックシークラフトやカボと同じように、顧客やディーラーの厚い信頼を集めている。アメリカのボートビルディング界で大きな成功を収めてきた父のマイクが、その血脈を受け継ぐ息子バレットとともに送り出す、本物志向のスポーツフィッシャーは要注目だ。
(文=安藤 健/舵社 写真提供=Mag Bay Yachts)
33CC
38CC
42EX
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(問い合わせ)
グレートカンパニー
TEL:06-4701-8888
https://www.greatcompany.jp/
ハウンツ
TEL:045-778-1532
https://www.haunts-bs.net/
Mag Bay Yachts
https://www.magbayyachts.com/