琵琶湖にて“ゆるい癒しのパドルフィッシング”を楽しむ/渡辺賢二さん・藤村哲男さん(モンベル)

2024.06.17

昨年(2024年)発行の『カヌーワールド』VOL.27の巻頭は、カヤックフィッシングの大特集。ここでは、その中から特に「カヤックアングラーの道具立て」をピックアップ!

エキスパートが釣りに出る際の道具類に焦点を当てながら、さらに自慢の艇もしっかりご紹介します。

 

(文・写真=加藤康一/Freewheel inc.)

 

写真左:渡辺賢二(わたなべ・けんじ)さん
1967(昭和42)年生まれ。モンベル広報部所属。転勤で琵琶湖に引っ越したのを契機に釣りにのめり込み、今では釣行日数が年に100日を超える

写真右:藤村哲男(ふじむら・てつお)さん
1965(昭和40)年生まれ。モンベルストアスタッフ。2000年からカヤックを、2011年からSUPを開始。SUPでの釣りは2015年から。サクラマスが主要ターゲット

 

■渡辺さんの使用艇

ライオット カヤックス・マーリン12

フラットなボトムが生み出す安定性と、明確なキールによる巡航性で、ビギナーにも乗りやすいオールラウンドタイプ。デッキ左右にレールが付き、ロッドホルダーなどを容易にセットできる。リーズナブルな価格も魅力の艇だ。

●全長:375cm ●全幅:79cm ●艇体重量:28.5kg ●素材:ポリエチレン
■価格:181,500円

 

 

■藤村さんの使用艇

パーセプション・シュブ ルナ10.4

気軽なブラックバスねらいということで藤村さんが持ち込んだのは、軽量・コンパクトになるインフレータブルSUP。パドル、リーシュ、ポンプ、収納バッグがセットになっている。

●全長:315cm ●全幅:81.3cm ●ボード重量:8kg ●最大荷重:104kg(1人乗り)
■価格:85,800円

 

 

渡辺さんはアウトドア用品メーカーのモンベルの社内でも、こと釣りに関しては「右に出るものがいない!」と評されるくらいの愛好家。

なかでもフライフィッシング(毛バリを使った釣り)に傾倒し、ヤマメ、イワナなどの渓流魚から、湖のトラウト(マス)類、ブラックバス、コイ、海のスズキ、クロダイ、サゴシ(小型のサワラ)まで、フィールドを問わず釣りまくっている。

この取材では「癒しの釣り」をテーマに、滋賀県・琵琶湖を舞台にブラックバスと戯れた。
「ヒット! でも小さい~」

 

渡辺さんのフライタックル。ともにオービス社の9フィートロッドで、使うフライラインの番手(太さ・重さ)やタイプ(浮くタイプか、沈むタイプか)で使い分ける。

渡辺さん曰く「カヤックよりはるかに高いです(笑)」

 

渡辺さんが自分で巻いた数々のフライ。小魚を模したストリーマーを中心に、水面で誘うバスバグやポッパーといったフライを用意している。

とくに琵琶湖に多い小アユを模したストリーマーは、ブラックバスねらいでは必須だ

 

渡辺さんが巻いた「ストリーマー」。当日は、カワイイサイズのブラックバスばかりが掛かったが、あくまで“今釣れている魚を楽しむ”のが渡辺さん流

 

もともと釣りが好きだった藤村さんは、「カヤックからならもっと釣れるかも」と思い立ち、20年前にカヤックフィッシングを開始。8年前からは、よりライトな道具立てで楽しみたいと、SUP(スタンドアップパドルボード)フィッシングを始めたそう。

普段はアオリイカねらいのエギング、ビワマスねらいのトローリングといった、かなりコアな釣りを楽しんでいる

 

今回、琵琶湖でのブラックバス釣りに使ったのは左のスピニングリールがついたタックル。ベイトリールがついた右のタックルは、ビワマスのトローリング用。これに50号相当のオモリをつけて、ビワマスが泳ぐ深場にルアーを沈めるそう

 

藤村さんが、イケチョウガイ、シロチョウガイ、夜光貝など、真珠の母貝となる貝の殻を使って自作したスプーン。これでビワマスを何尾も仕留めている

 

藤村さん自作のスプーンは、琵琶湖で獲れる貝を使っている

 

藤村さんの取材時の釣り装備は、幅広のベルトがつくモンベルのウエストバッグ(現在は廃盤)にロッドホルダーをつけるのみ。これがいわばSUP流の釣り艤装だ

 

渡辺さんはカヤック歴30年以上、藤村さんはSUP歴10年以上。お二人とも釣り人である前に、ベテランのパドラーでもある

 

■過去の釣果

渡辺さんがカヤックフィッシングをはじめたころは、琵琶湖のブラックバス釣りの黄金時代。50センチを超える大型魚が、カヤックからのフライフィッシングでもときおり釣れていたという

 

藤村さんがメインのターゲットとしている琵琶湖固有種のビワマス。藤村さんは「ビワマスはとても美味しい魚なので、一尾釣れたらそれで満足して帰る」というスタイルを通している

 

湖岸でデイキャンプを楽しみつつ、次はどのポイントへ行こうかと話し合う。釣果よりも一日を楽しむことが目的だから、浮かんでいて気持ちのいいポイントであることが一番の条件だ。

今回はクルマでの場所移動だったが、これくらいの量ならカヤックにも積み込める

タープモンベル・マルチシェード S(44,000円)

テーブルモンベル・L.W.マルチフォールディングテーブル(20,460円)

チェアモンベル・ヘリノックス・チェアワン(14,960円)

 

※本記事は『カヌーワールド』VOL.27の巻頭特集「ごきげんカヤックフィッシング♪」からの抜粋したものです。実釣の様子はぜひ『カヌーワールド』VOL.27をご覧ください。また、バックナンバーもぜひ!


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