お見事! カヤックフィッシングでバショウカジキをキャッチ

2023.09.08

先日(8月27日)、カヤックフィッシングの取材で西伊豆の松崎海岸にいたんですが、同じ場所から出艇していたカヤックアングラーが、なんとバショウカジキをキャッチ!

いやはや、度肝を抜かれました。カヤックフィッシングでカジキ、釣れるんですね~!!(カヤックフィッシングでは、日本だとたぶん2人目くらいの快挙だと思います)

 

そのときの様子をお聞きしましたのでご紹介しますね。

 

(文=松尾一真、星野 淳/CANOE WORLD編集部、写真提供=三品 晃、成田悟朗、松尾一真)

 

 

今回、見事にカジキをキャッチしたのは、カヤック歴9年目という松尾一真さん(57歳)。

高校生だった息子さんが「カヤックフィッシングをやりたい」と言い出したのをきっかけに、ご自身もやってみたのが事始め。

現在のカヤック「ネイティブウォータークラフト・スレイヤープロぺル12LT」は2艇目で、1艇目のカヤック「ウィルダネスシステムズ・ターポン120」で基本のパドリング経験を積んでから、釣りに便利な足漕ぎカヤックのスレイヤープロぺル12LTに乗り替えたとのこと。

 

さて、それでは当日の様子を松尾さん本人にお伺いしましょう!

 

 

――当日は何ねらいで出艇したんですか? 

 

当日は仲間のカヤック2艇と一緒に出艇したんですが、朝からカジキが跳ねているっていう情報を聞いていました。私のねらいはマダイとワラサ(ブリの若魚)だったのですが、前の週に極太の夏マサ(ヒラマサ)が跳ねているのを目撃して追っかけていたので、実は大物用のタックルも準備はしてました。

その日は、デカイのが釣れる予感はしていましたが、カジキは釣れるわけないと思ってました。出艇する際、仲間とは冗談で「カジキ、ねらいましょう!」とは言っていましたけどね(笑)。

 

 

――カジキを掛けたときの様子を教えてください。

 

その日は、とりあえず朝5時すぎくらいに出艇し、2時間くらいで自分はアカハタ1尾、仲間の二人はショゴ(カンパチの若魚)やイナダ(ブリの若魚)、メーター越えのシーラを釣り上げてました。

そんな中、ダイワのTGベイトをふと手元に落としたところ、フォール15メートルくらいで食ってきたんです。ポイントは雲見まで行かない松崎沖。水深70メートルほどのところです。

 

――ちなみに、タックルは何を用意していましたか?

 

大物用にシマノのスピニングリール、バイオマスターSW6000にPE2.5号を巻いて、ロッドはダイワのブラストJH60Sを準備していました。でも、実際にカジキを釣ったのは、シマノ・ゲーム タイプJ B60-4のロッドに、デュエル・スーパーエックスワイヤーPE1.5号を巻いたシマノ・オシアコンクエスト300PGをセットしたほうでした。リーダーは25ポンド、ルアーはダイワTGベイト100グラム(ピンクグロー)にがまかつ・ショートスナイパー1/0のアシストフックをセットしたタックルです。

 

――掛かったとき、最初からカジキだとわかりましたか?

 

食ってきてすぐに鬼合わせしたところ、ずっしりと重い感覚でしたが、やり取りはできる程度。最初はワラサかショゴクラスの青ものかと思いました。ただ、1分くらいしたら急に走りだし、あっという間にラインが100メートル以上出されて、まったくリールが巻けません。まあ、巻けるわけないでよね。ドラグはジージーと鳴りっぱなしです。

ラインを少し巻いてはまたすぐに出ていく状態の中、100メートル先でジャンプが始まりました。5~6回はジャンプしたでしょうか。飛び跳ねる魚体を見て、このとき初めてカジキだとわかったんです。100メーター先であれだけのジャンプが見られるなんて——すごく感動しました。まさか本当にヒットするとは……。

 

 

――しかし、よくキャッチできましたよね?

 

タックルがタックルですから、いつバレてもいいと思ってファイトを思い切り楽しんでいた感じです。「こんなタックルでは無理だ」と思いつつ、慎重にやり取りができたのは、相手がカジキとわかったからですかね。

また、足漕ぎカヤックのよさもあらためて感じました。ラインを出されてもファイトしながらカヤックを寄せることができたんです。そんなやり取りを30分ほど続けたでしょうか。相手も疲れたのか、残り20メートルくらいからはゆっくりと寄せることができました。

 

――実際、間近に見た印象を教えてください。

 

近くで魚影を見た瞬間に思ったことは、やっぱり「デカイ!」でした。とにかく寄せることで精いっぱい。一瞬、キャッチできないかと思ったんですが、この日に限って、カヤックにギャフを積んでいたんですよ。これもある意味で奇跡ですよね。

これまでいろんな動画を見ていて、カジキをランディングする際は暴れて怪我をする危険があることもわかっていました。ですから、ねらいを定めてギャフを振り下ろし、なんとか無事にランディングできました。

 

――カジキの体長は測りましたか?

 

実は、測ってないんです。ただ、カヤックの幅が79センチなので、そこから換算すると目測で2メートルは超えていたと思います。220センチくらいですかね。

 

 

――浜まではどうやって運んだんですか?

 

重さは30~40キロほどあったでしょうか。体長も大きすぎてカヤックに乗せられないので大型のストリンガー(釣った魚を水中で生かしておくためのアイテム)を付けて曳航しました。一番大きいストリンガーがギリギリ通せました。

 

――家に持って帰るにしてもクーラーには入りませんよね(笑)

 

浜に戻って解体しました。けっこうギャラリーがいる中で、頭と尾をまず切断し、胴体を三等分しました。全部で五等分ですが、60リッターのクーラーには三等分した胴体が二つしか入らなかったので、一つは仲間に分け、残りの胴体はクーラーに、頭と尾は袋に入れて持ち帰りました。

新鮮な刺身は最高でしたよ。ソテーでも食べました。大量の残りは近所におすそ分けし、あとは真空冷凍保存しました。

 

 

――最後に今回の釣りの感想を教えてください。

 

今回は奇跡の連続でしたね。たまたま、フックが上あごの一番根元に掛かっていたので、ラインが擦れないで済んだのでしょう。また、近くに遊漁船がいたら、ファイトは難しかったと思います。あと、ギャフを持っていたことが大きいです(笑)。一発で仕留められたのも奇跡です。

カヤックフィッシングは、自分が行きたいところに行けて、自分の好きなポイントで釣りができるのが魅力。今回、あらためてそのことが実感できました。カヤックフィッシングのきっかけを与えてくれた息子には感謝です!

 

――ありがとうございました!

 


あわせて読みたい!

●DIYは楽し♪/フィッシングカヤックの艤装は簡単です!!

●魚探の見方vol.1 ブリねらい中の有力反応をプロが解説

●釣り好き必見!! 年に一度のボート釣りスペシャル号|『BoatCLUB』10月号

 


カヌー

カヌー の記事をもっと読む