DIYは楽し♪/フィッシングカヤックの艤装は簡単です!!

2023.08.11

艤装をすることで
世界に一艇のカヤックへ

 

「艤装」という言葉をご存知でしょうか。辞書などで調べると、「フネや自動車、航空機などに必要な装置や設備を取り付ける作業やその装備品」とあります。

この艤装という概念はカヤックにもあって、例えばパドルホルダーを取り付ける、バンジーコードを貼るなども艤装にあたります。さらにフィッシングカヤックになると、釣りに使うさまざまなギアを取り付けていくので、艤装点数は自然と多くなります。

ここでは、フィッシングカヤックを自分の釣りに合わせて使いやすくカスタマイズする「艤装」について解説します。

 

(文・写真=赤澤克哉[kayak55.com])

 

フル艤装していても、再乗艇が問題なくできることは、艤装の最低条件です

 

パドリング&安全の確保
それが艤装の大前提

フィッシングカヤックの艤装では、絶対に留意しておかなければならない点があります。
① パドルの軌道上には艤装不可。
② 再乗艇の妨げになる艤装は不可。
喫水より下に艤装はしない(※艤装は艇に穴を開けるため、常に水圧がかかる場所だと、どんなに防水処置を施しても浸水リスクがあるのでNGです)。

 

ホームセンターで入手可能!
艤装に使う主な道具類

左上から右回りに、電動ドリル、プラスドライバー、マスキングテープ、定規、レンチ、ヤスリ、ティッシュ、ウェットティシュ、シリコンシーラント、ハンドリベッター。艤装は、手軽に入手できる道具で行うことができます

 

シーンによって使い分けよう
使用するネジの種類

左からタッピングビス、ネジ+ワッシャー+ナット、ウェルナット、リベット。カヤックの材質や裏側から手が届くかどうかでセレクトします

 

カヤックの艤装は
実はとってもカンタン

カヤックの艤装はむずかしそうに思えるかもしれませんが、カヤック本体の素材であるポリエチレンやABS、FRPというのはとても加工がしやすく、使用する道具もホームセンターで手に入るようなものばかり。むずしいのは、どちらかというと位置決めや角度決め。あと必要なのは、艇に穴を開ける勇気です(笑)。

 

例えばポリエチレン製のカヤックに、艤装パーツを取り付けようと思ったら、プラスドライバーでタッピングビスを打ち込むだけで終了です。ポリエチレンは材厚があるのでタッピングビスで十分止まります。この場合、下穴は開けず、ネジ山はポリエチレンにぴったりめり込んでいるので、コーキングによる防水処置も不要です

 

ネジ+裏側からワッシャー+ナットで取り付けたベースマウント。ABS艇やFRP艇、ポリエチレン艇でも薄い材質の場所の艤装は、ワッシャー+ナットの裏支えが入ると、確実に固定できます(要コーキング)

 

ABSやFRP艇で、裏側に手が届かない場合に重宝するウェルナット(舷側の黒い丸がウェルナットのゴムブッシュ部分)。リベットと違い、取り外しできるのが魅力です(コーキング不要)

 

ABSやFRP艇で裏側から手が届かない場所には、専用の工具でかしめるリベットが便利。ただ、外す際はリベットを壊さなければなりません(要コーキング)

 

代表的な艤装・その1
ベースマウント

艤装用品メーカーの「ベースマウント」をカヤックに取り付けることは艤装の第一歩。写真左の「スコッティー」は、日本のカヤックフィッシング黎明期から輸入されていて定番です。また、写真右の「レイルブレイザ」も、現在は同じくらい高いシェアを占めています。ほかに、RAMやBMOも人気の艤装用品メーカーです(※メーカー間の互換性はありません)。

ベースマウントがあれば、ロッドホルダーや魚探マウント以外にも、ドリンクホルダーやカメラマウントなど、さまざまなアイテムを簡単に取り付けることが可能です。

 

代表的な艤装・その2
外付けロッドホルダー

艇にベースマウントがあれば、「外付けロッドホルダー」がワンタッチで取り付け可能。ご覧のようにエサ釣りでの置きザオなどもできるようになります

 

ロッドが脱落しないようにロックがかけられるロッドホルダー。高さや距離は別売りのエクステンダーによって、好みや体格に合わせて調整ができます

 

ロッドを立てるタイプのロッドホルダー。このタイプはリールの位置が高くなり、飛沫を浴びにくくなるメリットがあります

 

代表的な艤装・その3
フラッシュロッドホルダー

筒状のロッドホルダーをカヤック本体に埋めこむ「フラッシュロッドホルダー」も、フィッシングカヤックにおけるベーシックな装備。ご覧のようにシート後ろにフラッシュロッドホルダーが設置されると、一気にフィッシングカヤックっぽくなります

 

フラッシュロッドホルダー設置は、まずホールソー(大きな穴をあける工具)で穴を作り、ヤスリで形を整えていきます。大穴を開けるため、失敗が許されません。艤装の難易度はやや高めです

 

代表的な艤装・その4
魚群探知機を設置する

海のカヤックフィシングにおいて、もはや外せないアイテムが「魚群探知機(魚探)」。艤装はとてもカンタンなので、自分で取りけてみましょう!

 

魚探の設置は、魚探本体のトレーなどに、艤装用品メーカーの専用マウントを、ネジ+ワッシャー+ナットで取り付けます。メーカーによってはドリルが必要です

 

魚探振動子の艤装は
カヤックによって変わる

■スカッパーホール引き上げ方式

カヤックのスカッパーホールが、もともと振動子を引き上げられるデザインの場合は、この方法が水の抵抗も少なく、魚探の感度も出るのでベストな方法です

 

■インナーハル方式

艇内のストレージなどの底に、振動子をシリコンシーラントで貼り付けてしまう方法。すっきりしていいのですが、感度は少し落ちるため、使用できる深度は通常の2〜3割減となります

 

■アームを用いる方式

この方式は、出艇時に振動子を引きずらないように上げ下げできるパーツを使用するか、自作します。感度はいいのですが、アームを下げていると水の抵抗を受けるデメリットがあります

 

艤装に終わりなし
その過程を楽しもう

ロッドホルダーと魚探、あとはフラッグを艤装すれば、カヤックフィッシングはとりあえず十分楽しむことができると思います。そこから先の艤装は、自身が必要に応じて追加してください。

みなさんそれぞれの釣りのスタイルがありますよね。僕は、今年でカヤックフィッシング歴20年めですが、いまだに艤装は毎年変わっています。

自分だけの艤装を模索していく過程は、釣り同様、最高に楽しいですよ!

 

※本記事は『カヌーワールド』VOL.26(最新号)の記事を再編集したものです。バックナンバーもぜひご覧ください。

 


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