リトアニアのニダで、9月5~15日に「第3回世界デフセーリング選手権(3rd World Deaf Sailing Championships)が開催されました。ニダは、世界遺産でもある国立公園クルシュー砂州の中央部に位置し、バルト海とクルシューラグーンを隔てる美しい街並みの観光地です。
ところで「デフセーリング」という言葉になじみの薄い方も多いと思います。世界デフセーリング選手権は、ろう者・難聴者が参加するセーリングの大会で、ハンザ303クラス(一人乗り)、プッククラス(3人乗り)、マリナークラス(4人乗り)、ウィンドサーフィンクラスの四つのクラスが設けられ、第3回となる今回の世界選手権には、13か国58人の選手が参加しました。また、日本からは、ハンザ303クラス(男性)に日本デフセーリング協会に所属する澤内清志選手、三浦隆博選手の2人がエントリーしました。
ハンザ303クラスには、12カ国30人(男性22人、女性8人)が出場。9月6~9日の3日間、競技が行われました。
初日は、男性は4グループに分かれての予選ラウンドが3レースずつ実施され、各グループの上位3人(合計12人)が2日目の準決勝ラウンドに進みました。準決勝ラウンドは2グループで各3レースを実施、各グループの上位3人(合計6人)が決勝ラウンドに進みます。3日目は決勝ラウンドの3レースが行われたほか、予選ラウンドおよび準決勝ラウンドで敗退した選手による、7位以下の順位決定レースが1レース行われました。
日本選手の結果としては、三浦選手が決勝ラウンドまで進み総合4位、7位以下の順位決定レースに回った澤内選手が21位となりました。三浦選手は決勝ラウンドの第2レース終了時点では暫定1位と、メダルの期待がかかりましたが、最終レースで最下位となり惜しくもメダルに届かず4位という結果に終わりました。
大会期間中は、競技もさることながら、競技前の合同練習や毎日3食の食事など、各国の選手間での交流が自然と深まり、和やかで楽しい雰囲気の大会でした。
2029年夏に開催される「デフリンピック2029(ろう者・難聴者のオリンピック)」では、セーリング競技が正式種目としての採用が決まっています。今後、日本でもデフセーリングの競技人口が増え、デフセーリングが競技として広がっていくことを願っています。
(レポート・写真=砂田武志/日本デフセーリング協会[DSAJ]代表・日本チームリーダー)
●World Deaf Sailing Championships 公式サイト
https://lt.regattas.eu/regatta/wdsc
●日本デフセーリング協会 公式サイト
https://jiiga.com/dsaj/
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