深海と表層の水温差が少なくなる冬は、深海生物の採集や運搬に適した時期なのである。
“えのすい”の愛称で親しまれる新江ノ島水族館では毎年この季節になると、えのすいトリーターたちが底引き網漁船に乗船し、深海生物の採集・搬入を行っている。そしてそれらの貴重な生物は、同館で展示・飼育されたり、標本として保存されたりしている。
そんなえのすいで今年は特別に、底引き網漁で採集された深海生物(冷凍標本)を間近で観察し、直接触ることができる特別企画「毎日深海生物タッチ」が開催中なのだ(えのすいトリーターたちの乗船・採集・搬入の様子も紹介されている)。
展示されているゾーンは「深海Ⅱ~しんかい2000~」。
日本初の本格的な有人潜水調査船〈しんかい2000〉の実機が展示されており、コックピットの様子や同船での深海調査研究の歴史を知ることができるゾーンだ。
ほかにも、相模湾で採集された深海ザメの標本展示や、えのすいトリーターが江の島沖を中心に深海調査で使用している水中ドローンと調査で記録した画像や映像も紹介。さらに展示水槽では、実際の江の島沖の深海の様子が再現されている。
普段はなかなか見られない深海生物たちの体のつくりを見て、さわって、体感し、常設の深海展示ともあわせて、深海の世界に浸ってみてはいかがだろうか?
開催期間:2024年3月31日(日)まで
開催場所:新江ノ島水族館内「深海Ⅱ ~しんかい2000~」
展示生物:メンダコ、ヨロイザメ、エドアブラザメ、フジクジラの仲間 ほか
※展示生物は更新される予定
(問) 新江ノ島水族館
(文=BoatCLUB編集部 写真提供=新江ノ島水族館)
なお、新江ノ島水族館ではほかにも、ダイナミックなイワシトルネードが圧巻の「相模湾大水槽」や、世界初のカタクチイワシの繁殖展示「シラスサイエンス」などなど、驚きと感動に満ちた多種多様な展示が行われている。
小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」から徒歩3分とアクセスも超良好な新江ノ島水族館
ちなみに……月刊『ボート倶楽部』2024年2月号の特集「魚=資源を考える」では、同館のシラスイワシ生体展示の興味深い裏側のお話をたっぷり取材・掲載しています♪ ぜひご一読ください!
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