ブレない&落としても安心|船上での使用に最適な双眼鏡

2024.01.03

沿岸、沿海を航行区域とするフネには積まなければならない法定備品の一つ、双眼鏡。ただ、沿岸はおおむね6倍程度のものを推奨、とされているくらいで、スペックの規定が特にあるわけではない。せっかく用意するならば「役に立つ」「実用的」な双眼鏡を、とも思うが、では具体的にどういうものを選べばいいのか、いまひとつわからないという声は多い。ここでは、船上で使用するのにどんなスペックが適しているのか見ていきたい。

まず、フネでよく使われるのは倍率が7倍で、対物レンズ有効径が50ミリのもの。これはフネが揺れて、目と双眼鏡がズレてもなんとなく見え続けてくれるようなスペックだ。その理由は射出瞳径が大きから。7倍以上に倍率を上げると、瞳径が小さくなり、揺れると双眼鏡を覗いたときに、目と見えてる部分がズレやすくなるので、昔は7倍より高い倍率をフネで使うのは難しいとされていた。最近では防振双眼鏡の登場でその制限が払拭されて、14倍などの高い倍率のものなども実用化されている。

 

倍率とは――
これは実際よりもどのくらい大きく見えるかというもので、例えば7倍ならば、肉眼で見えているのものが7倍に見える。1センチだったら7センチに見える、というもの。

 

対物レンズ有効径とは――
対象物に向くほうのレンズ(対物レンズ)の径が大きいほど光をたくさん集めることができるので、明るくはっきりと見える。ただし、対物レンズが大きいと双眼鏡自体が大きく、重くなってしまうので、用途によって必要なスペックは変わってくる。

左が対物レンズが大きいもので、明るくはっきりと見えるが、双眼鏡自体が大きく重いものとなる。倍率と対物レンズ有効径は一番基本のスペックなので、用途に合わせて選びたい

 

瞳径とは――
双眼鏡を少し離して接眼レンズを見ると、明るい部分が白い点で見える。この大きさは簡単な計算で求めることができる。例えば、倍率10倍で対物レンズ有効径42ミリだと、42÷10=4.2なので、白い点の大きさが4.2ミリということになる。その双眼鏡を覗くと4.2ミリの光が目の中に入ってくる、これが瞳径だ。瞳径は大きいほど明るく見える。船上では早朝や夕暮れ、曇天の日にも使うため、明るく、はっきりと見やすい双眼鏡が選ばれるケースが多い。

接眼レンズの中にある白い点の大きさに違いがあるのがわかるだろうか。この大きさが射出瞳径というスペックで表される。つまり、この大きさの光が映像になって目の中に届くということだ。瞳径の数字が大きいほど、暗いシーンでもはっきり明るく見える双眼鏡ということなる。ただ、真昼間などの明るい状況下で使うことが多いのなら、瞳径が小さいものでも見え方にそこまでの差はでない。人間の目の大きさは限られているので、瞳径を大きくしすぎても無駄になってしまうため、射出瞳径の最大スペックは7ミリ程度になっている

 

実視界とは――
双眼鏡を覗くと丸が見える、その丸の端から端が何度かというもの。なるべく広いほうが、見たいものを探しやすい。

 

見かけ視界とは――
覗いたときに丸が遠くに見えるか、近くに見えるかの指標で、遠くのほうに丸が小さく見えるものは見かけ視界が狭い。見かけ視界が広いものは手前に大きく映像が広がるため、映像への没入感がある。

 

これらを踏まえた上で、大きく揺れる船上での使用にオススメなのは防振双眼鏡だ。フジノンのテクノスタビはジンバル方式の防振装置を採用し、プラスマイナス6度の大きな揺れまで補正できるため、フネでの使用に最適なのだ。

 

フジノンの防振双眼鏡「テクノスタビシリーズTS-X1440」。倍率は14倍で対物レンズ有効径が40ミリ。電子ジャイロを搭載し揺れる船上でも視界がブレずに非常に見やすい。揺れ幅の大きいプレジャーボートには特に有用だ

ご購入はコチラから→テクノスタビTS-X1440

 

本体内部に乾燥窒素を詰めて完全密封しているため、海中に落としても浮く構造。テクノスタビだけでなく、フジノンの双眼鏡はすべて完全防水構造で、波しぶきが掛かるシーンや雨の中でも安心して使える

 

防振ではないが、マリン用に作られた「マリナーシリーズ7×50 WP-XL」。倍率7倍×対物レンズ有効径50ミリの海の定番スペックで、海中に落としたときに浮くフロートストラップも標準装備

ご購入はコチラから→マリナー7×50 WP-XL

 

マリン用にコンパスが内蔵された「マリナーシリーズ7×50 WPC-XL」。正確な方位がわかれば見張りやナブラ発見時にも操船者と意思の疎通がしやすい
ご購入はコチラから→マリナー7×50 WPC-XL

 

ちなみに、双眼鏡の一番の大敵はカビ。レンズを湿気の多いところに置いておくと、レンズ表面のコーティングにカビが付いてしまうので、なるべく風通しのいいところに保管しておくのがいいそうだ。

また、海水をかぶった場合は、できるだけすぐに優しく水洗いして、レンズクリーナーなどでレンズを掃除すればいいとのこと。落下の衝撃で壊れることもあるので、使用時はストラップを付けて首にしっかりと掛けて使用する。スタンダードなタイプでは、30年、40年と保つので大事に愛用していきたい。

 

(掲載商品に関する販売のお問い合わせ)
KAZIオンラインショップ シープラザ
https://www.seaplaza.jp/
TEL:03-3434-0941(平日9:30~17:30)


あわせて読みたい!

●Aladdinのポータブルガスストーブで、冬場のアウトドア遊びも至極快適!

●濡れない、ムレない、だから暖かい、防水ソックス

●船底塗装いらずのスゴイやつ!/広谷商店の船底シート


グッズ

グッズ の記事をもっと読む