ボート&ヨット乗りのみなさん、海上での通信手段は何を用意されていますか? たいていの方は、携帯電話(スマホ)をお持ちだと思うのですが、それだけでは少々心許ないですよね。
スマホは、海上においては電波が圏外になってしまうことも少なくないわけですが、もっと致命的なことは、相手の電話番号がわからなければ呼びかけられない点でしょう。もし海上でトラブルに見舞われても、スマホでは目の前にいる船舶に対して救助を求めることができません。
やはり、海上での通信手段の基本は、世界共通の通信手段として普及している「国際VHF」となるのではないでしょうか。
(文=舵社メディア事業部/星野 淳 写真=アイコム)
海上における船舶の共通の通信手段として知られる「国際VHF」は、電波が届く範囲内にいさえすれば、知らない船舶(相手)に対しても通信を行うことが可能。そのメリットは、スマホでは得られません。
今回、ご紹介するのは、そんな国際VHFの最新機種2つ。
昨秋登場したアイコム「IC-M94DJ」は、エントリーユーザーにおすすめの5W携帯機となります。
アイコムIC-M94DJは、第三級海上特殊無線技士以上の資格があれば取り扱いができる出力5Wの携帯機(別途開局手続きが必要。25W機またはDSC機能を使う場合は第二級海上特殊無線技士以上の資格が必要)で、気軽に使える点が人気となっています。
また、携帯機としては世界で初めてAIS受信機能を搭載した画期的なモデルなんです! このことにより、夜間や視界不良時でも、画面上で周囲にいる他船(AIS搭載船舶)の動向をリアルタイムで把握できるので、事故を未然に防ぐ手助けとなります。
IC-M94DJは、通信機器という国際VHFの機能に加えて、画面上にAIS船舶の情報を表示させることが可能。
さらに、DSC機能も搭載しているので、緊急時や遭難時には遭難信号を発信し、付近の船舶局や海岸局に対して、遭難の発生や位置情報を知らせることが可能となっています。
緊急時や遭難時には、背面のDISTRESSボタンを押すと、遭難信号が発せられます(運用には第二級海上特殊無線技士免許以上の資格が必要)。
こちらは、携帯機IC-M94DJと同時期にデビューした25W据置型の国際VHF、アイコム「IC-M330J」。
IC-M330Jの最大の特徴は、そのコンパクトさです。幅156.5mm×高さ66.5mm×奥行き88.2mmというサイズは、既存のモデルより二回りほど小さく、設置場所が限られる小型艇の積載も容易です。
上はアイコムIC-M330J、下は既存の同社製の海外向けモデルです。こうして比較すると、そのコンパクトさがよくわかりますね。
また、DSC機能も搭載していて、遭難信号の受発信が可能。70チャンネル(DSCでの呼び出し/応答用チャンネル)を自動的にワッチし、周囲からの呼び出しも確認できます。
さらにインターフェースも改善されていて、大型の十字キーや6チャンネルキー、用途に合わせて機能の割り当てが可能なソフトキーなど、直感的な操作が可能となっています。
IC-M330Jは、水面下1mで30分水中に没しても内部に水が入らない防水性能(IPX7)を持っているので、スプレーを浴びるような環境に設置しても安心です。
ということで、安全なマリンライフを楽しむためにも、これを機にぜひ国際VHFの運用を考えてみてはいかがでしょうか? 備えあれば憂いなし、ですよ!
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