ホンダの4kW電動推進機、島根県松江市で実証実験開始

2023.07.29

2021年にコンセプトモデルが披露され、大きな話題となったホンダの次世代電動推進機。いよいよ8月から、島根県松江市において実証実験が開始される。

 


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島根県松江市、国宝松江城の堀に浮かぶ実証実験仕様の遊覧船。ホンダと松江市のロゴが配された、さわやかな白い屋根が目印だ


 

2050年にはすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを目指すホンダ。そして、脱炭素先行地域として「カーボンニュートラル観光」を掲げ、さまざまな環境活動への取り組みを行う松江市。両者の思いが完全に合致したことで、今回の実証実験が実現する運びとなった。

このたび完成した小型船舶用4kW電動推進機プロトタイプは松江市観光振興公社が運営する堀川遊覧船に搭載され、実際の運航で使用。遊覧船における商品性を検証し、そのデータは今後のさらなる製品開発や企業活動へと生かされる。
※4kWは馬力換算するとおよそ5.4馬力

実証実験の開始に先駆けて、さる7月27日(木)、全長3.7キロの堀川遊覧船コースの一部を使って、マスコミ向けの試乗会が開催された。

晴れ渡った夏空の下、行きは現在の遊覧船で使用しているホンダの船外機BF9.9、そして戻りは4kW電動推進機を搭載したフネに乗り、それぞれの乗り味を比較。

ホンダBF9.9自体もかなり静かな船外機なのだが、4kW電動推進機はさらに静か……というかほぼ音がなく驚いた。
従来の船外機艇では船頭さんはマイクを装着し、会話の際にはエンジンの回転を落として駆動音を下げていたのだが、電動推進機ではマイクも、駆動音減も全く必要ないほどだ。

また、この電動推進機を搭載した遊覧船だが、今年の秋以降をめどに一般のお客さん向けの運航も開始される予定とのこと。詳しい情報が入り次第、改めてお知らせいたしますので乞うご期待!

なお、今回の小型船舶用4kW電動推進機や試乗会に関するさらに詳しいレポートは、月刊『ボート倶楽部10月号』(2023年9月5日発売)に掲載予定! ぜひチェックしてください!

 

試乗会同日に松江市役所新庁舎でプレゼンテーションも行われた。4kW電動推進機をはさんで、島根県松江市 講武直樹副市長(右)と本田技研工業 二輪・パワープロダクツ事業本部 パワープロダクツ事業統括部 マリン事業部 福田蔵磨部長

 

今回の実証実験で使用する電動推進機プロトタイプは、ホンダとトーハツが共同で開発。ホンダが出力4kWの電動パワーユニット、トーハツがギアケースやロアーユニットなどのフレーム領域をそれぞれ担当したという

 

バッテリーはホンダの二輪車で使用している交換可能な着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を採用

 

戦国時代から続く松江の堀川。1997年に事業が開始された遊覧船は、個性豊かな17の橋をくぐりつつ、 四季折々でうつろう自然と歴史ある風情を味わうことができる 

 

(文=舵社/写真=本田技研工業)

 

 


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