1962年の「太平洋ひとりぼっち」の航海から60年。83歳になった堀江謙一さんが、3月26日9時45分(現地時間)、アメリカ・サンフランシスコ(ゴールデンゲートブリッジ)から西宮(兵庫県)を目指し、世界最高齢での単独無寄港太平洋横断航海へと出航した。
ザ・サンフランシスコヨットクラブで催された出航式の場で、堀江さんは次のようにコメントしている。
「皆さん、本日は私の出発の日にたくさんお集りいただきありがとうございました。私は、60年前にこの美しいサンフランシスコにやってきたわけですが、またこの地から日本に出発できるとは想像もしていませんでした。健康にも恵まれて、83歳になりましたが、このような機会を得ることができ、そして出発できることに、ワクワクが止まりません。皆様方にはたくさんの応援をいただき勇気づけられました。今回も全力で頑張りますので、引き続き応援のほどよろしくお願いします」
報道陣からの「今のお気持ちをお聞かせください」という質問に対し、「大変失礼ですが、(この質疑応答を)早く終わって出発したいです」と返した堀江さん。
堀江さんらしいジョークで、会場を沸かせた。
今回の航海に使用する全長5.83mの〈サントリーマーメイドIII号〉は、エンジンを搭載していない。そのため、ハーバーから支援艇によって広い海面まで曳航されていった。
現地時間の3月26日9時45分に、ゴールデンゲートブリッジを通過しスタート。60年前の航海とはまったく逆のコースとなるが、堀江さんの太平洋横断の象徴ともいえるゴールデンゲートブリッジからの出発は、なんとも感慨深いものではないだろうか。
2021年の辛坊治郎さんの太平洋往復横断航海でもおなじみの、古野電気のトラッキングシステムが今回の航海でも活用されている。堀江さんの艇から衛星通信を介して届けられた最新の位置情報を、古野電気の特設サイトで確認することが可能だ。陸にいる私たちも一緒に太平洋横断を楽しむことができる。
●古野電気 堀江謙一さん特設サイト
https://www.furuno.com/special/jp/horie-challenge/
現地時間の3月22日(火)には、初代〈マーメイド号〉が展示されているサンフランシスコ海事博物館を訪問した堀江謙一さん。バックに見えるのが初代〈マーメイド号〉。訪問の記念として、今回の航海の相棒である〈サントリーマーメイドIII号〉の模型(ハーフモデル)を博物館に寄贈した。
3月23日(水)には、サンフランシスコ市庁舎を表敬訪問。サンフランシスコ市から、3月23日を「堀江謙一の日」として記念日に認定され、その証書を受け取った。
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順調にいけば、6月上旬には西宮に到着する予定。83歳での快挙の達成が、今から待ち遠しい。まずは古野電気の特設サイトで、その航海を毎日一緒に楽しんでいくことにしよう。
(文=舵社/安藤 健 写真=オフィシャル提供)
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