ヨットアワードの最後を締めくくるのはデイセーラー＆ディンギー部門。Kazi YACHT AWARD 2024のなかでも最も趣味性が高いジャンル、それがデイセーラー。純粋なセーリングに特化し、居住性や長期滞在性能を抑えてまで、そのフォルムと性能を突き詰めたデイセーラー。車で言えば、クラシカルな2人乗りのオープンカー、クイックに峠を走るスポーツカーといった具合だ。

そんなデイセーラー＆ディンギー部門を制しのは、オランダの高級デイセーラーブランド、サフィアヨットが手がけるサフィアSC8mキャビン。その美しいフォルムに多くの選者が釘付けになった。

Kazi YACHT AWARD 2024
国内唯一のセールボートとパワーボートの専門誌、月刊『Kazi』誌2024年3月号（2024年2/5発売）から、2025年2月号（2025年1/4発売）に紹介したセールボートを対象とし、アワードを決定するものだ。

◆メインカット

photo by Kazuhisa Matsumoto | デイセーラーは風下側後ろから見るのが最もよい。シアーラインの美しさが一番際立つからだ

Kazi YACHT AWARD 2024
デイセーラー＆ディンギー部門　 1位

SAFFIER SC 8M CABIN
サフィアSC8mキャビン 

［問い合わせ］
オカザキヨット　
TEL:（横浜）045-770-0502 （西宮）0798-32-0202

【SPEC】
■全長：8m　■全幅：2.45m　■喫水：1.30m　■重量：1,8t　■セール面積（標準）：メイン 20m²、セルフタッキングジブ 10.85m²、110%ジブ 20m²　■燃料タンク：45L　■清水タンク：60L　■エンジン（標準）：ヤンマー2YM15（15馬力。セールドライブ）　■価格：問い合わせ

Kazi YACHT AWARD 2024 デイセーラー＆ディンギー部門 Result

Boat Review 
永井 潤さん（選考委員）

サフィアSC8mキャビンの「C」はクラシック（classic）の意。もともとサフィアヨットは、このようなデイセーラーで荒天クルーズの実績がある。強風下の試乗でも、コクピットの深さなど、安心感のあるボートだった。

Dealer’s Comment 
岡崎浩資朗さん（オカザキヨット）

選出いただきありがとうございます。サフィアSC8ｍキャビンは、今のセーリングのトレンドであるデイセーラーの人気モデルです。

対象記事と選考方法

2024年3月号から2025年2月号までに月間『Kazi』で紹介した、艇紹介および、艇の性能を取材し分析した記事を加えた38艇が対象。上記4人の識者に加え、植村浩志（舵社社長）と、安藤 健（同営業部）にKazi編集部員・写真部を加えた11人で選考。それぞれ1～10位を決め、1位30点、2位29点……10位11点を加点、識者の4人以外は1位20点からスタートした。

Kazi Yacht Award 2024選考委員

Kazi YACHT AWARD 2024 選考委員会総評

セーリングシーンをけん引するジャンル

 （文＝Kazi編集部／中村剛司）

今回は2024年5月号のクラシカル艇特集、10月号のデイセーラー特集があったため、古き良き船型の艇が多くノミネート。また、毎回7艇ほどあるマルチハルが今回は2艇のみ。スポーツボートはフィガロ・ベネトウ3の1艇のみ。同時にC / R（クルーザー／レーサー）艇も4艇と少なかった。 そんななか16艇がノミネートされたクルージング部門を制したのは、なんとマルチハルのエクセス14。たった2艇のマルチハルながらその存在感を見せつけた。10艇がノミネートされたデイセーラー部門の1位は、サフィアSC8mキャビン。2021年、2022年と連覇したシリーズの地力はさすが。また、デイセーラー＆ディンギー部門には自作艇も含まれ、その5位にヘレショフ16’8’’ヨール〈コキーナ〉が入ったことは面白かった。なんとこの艇はまだ完成していない（笑）。進水が待ち遠しい。 現実と乖離しすぎたアメリカズカップやヴァンデ・グローブの知見は、プロダクションボートには降りてこない。そんな批判をはね除けるように登場した、フォイル艇、フィガロ・ベネトウ3と、それを選んだ今回の選者たち。セーリングシーンをけん引するのも、やはりこのジャンルということであろう。

（文＝Kazi編集部　写真＝松本和久）

※関連記事は月刊『Kazi』2024年2月号に掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ

月刊『Kazi』2025年2月号、ぜひご一読ください。

月刊Kazi2025年2月号購入はコチラから