神奈川県三浦半島の南西端に位置する諸磯湾。
北隣りには油壷湾、小網代湾と3つの小湾が連なり、それぞれにセーリングクルーザーが整然と海上係留されている。
中でも諸磯湾は湾口が西に向いているため、天候が良いと相模湾越しに美しい富士山を望むことができる。
この風光明媚な湾を活動拠点とする「諸磯ヨットオーナーズクラブ(MYOC)」の創立50周年を記念する式典が、11月4日(祝)、横浜ロイヤルパークホテルで開催された。
会場にはMYOC所属艇約90艇のうち62艇のオーナーおよび関係者が202人、三浦市の出口景介市議会議員をはじめ日本セーリング連盟の安藤 淳専務理事、油壷ヨットクラブ民辻松弘会長など23人の来賓など、合わせておよそ230人が参集した
開会の挨拶をする諸磯ヨットオーナーズクラブ・三浦弘二会長
諸磯ヨットオーナーズクラブは、諸磯湾に古くから停泊していたセーリングクルーザーに対する退去勧告がきっかけとなり、1973年に諸磯ヨット協議会が結成されたことに端を発する。
いわゆる民間のマリーナに管理されているのではなく、地元みうら漁業協同組合とクラブ艇の管理契約を結んで運営されており、全国でも珍しい形態をとっている。レースを中心とするチームもあるが、多くはクルージング派で、いまでは少なくなったが、盛んな頃は毎週金曜、土曜の夜になるといくつもの艇にはキャビンライトが灯り、船上生活を楽しむヨット乗りが多くいた。
故にクラブに所属しているオーナーたちのヨット歴も長く、この記念すべきパーティーのサブタイトルは「50年を振り返り次の世代にバトンタッチ」。
親子3代にわたりセーリングを楽しんでいる〈SELAS〉(ベネトウ・オセアニス35)の大井健太郎(右)さん一家が紹介され、会場に暖かい拍手がわいた
この日は歴代の会長(左から8代目の三浦会長、7代 松崎健氏、6代 小平忠昭氏、5代 倉持和夫氏、3代 熊澤光政氏)が集結して旧交を温めた。右端は名調子の司会をつとめた旅客機の元パイロットでセーラーの塚原氏
これまで14年間にわたりMYOC管理事務所で、台風対策をはじめとする天候への対応などクラブ艇の維持、管理業務を行った、みうら漁業協同組合諸磯支部の本間功一さん(右)に三浦会長から感謝状が授与された
記念すべき式典に招かれた来賓の方々
会場内に展示されたMYOCの歴史が綴られたボード
式典参列者には記念のロゴ入り保温カップ(ペア)のほかMYOCのこれまでの歴史や活動、2024年現在の所属艇のプロフィールが写真入りで掲載された記念誌「MYOC Boat Directory 2024」(総68ページ)が配られた(右は参加者名簿入り式典プログラム)
およそ1年間にわたった準備を経て、この日を迎え、無事成し終えた式典実行委員の皆さま、お疲れさまでした! そして諸磯ヨットオーナーズクラブ創立50周年、おめでとうございます!
(文=田久保雅己/舵社 写真協力=MYOC)