パリ五輪(2024年)から、セーリング競技において採用が予定されていた「Mixed Two Person Keelboat Offshore Event(男女外洋ダブルス)」。
外洋セーリングが五輪種目になるということが、世界的にも大きなトピックとなっていたのだが・・・。
こちら↑↑は、Offshore Doubles Sailing Association(ODSA)のサイトの記事。
五輪種目に関するニュースがまとめられている。
外洋ダブルス種目の採用が、なぜ今ごろ取り消しという話になっているのか。一連の流れが整理されている。
これらの記事の中から要約すると
①2020年12月7日にIOC(国際オリンピック委員会)が、「Gender equality and youth at the heart of the Paris 2024 Olympic Sports Programme」という文書を出した。
このなかで、外洋ダブルスについて、「2020年3月までに安全とコストに関する取り組みを再考する」となっている。
②これに対して、World Sailing(WS:国際セーリング連盟)のOceanic and Offshore Committeeが、上のような勧告(Recommendation)を出した。
賛同する各国のナショナルオーソリティー(日本も含む)や各クラス協会、セーリングクラブなどの名前も、連名で記載されている。
・コースは地中海沿岸の20マイル×20マイルのエリアの中を周回するものとする
・セキュリティーはフランス海軍が通常の予算の範囲内で担当する
・携帯電話の電波が届く範囲内であり、安全、報道の部分でのコストはかからない
というものだ。
これに対する状況として、冒頭のODSAのサイトには、「Tip & Shaft」の記事がリンクされている。
この記事に書かれている内容を要約すると・・・
・2021年4月12日に、IOCから、WSのQuanhai Li会長あてに「この内容では満足できないので、外洋ダブルスに代わる別の種目を提案」するよう返事があった。
・5月14日には、WSが外洋ダブルスに代わる種目を決め、5月26日にIOCに提出。その後、6月8日にはIOCが決定する。
といったところだ。
外洋ダブルスに代わる種目・・・これについては、470級(男女ペア)を男子470級と女子470級に戻すか、あるいはカイト(男女混合)を男子カイト、女子カイトの2種目に分けるか。こんな予測が立てられている。
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まだ東京五輪が開催されていないなかで、次回パリ五輪のセーリング競技種目が揺れている。今後の流れを注視したい。
もちろん五輪うんぬんではなく、世界的に外洋ダブルスの盛り上がりの機運は高まっている。日本でもこのゴールデンウイークに、残念ながら中止となってしまったものの、初の「外洋ダブルス日本選手権」が開催される予定だった。コロナウイルスが収束すれば、この大会もあらためて開催される予定だという。
(文=舵社/安藤 健 トップ写真=Jeanneau / Sunfast 3300)
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