
日本でよく目にする、貝類がふんだんに入った豪華なものではなく、素朴な魚の水煮である本来のアクアパッツァを作りました。魚本来の味が際立つ一品だ。
尾頭付きで見栄えもGOOD! シンプルだが味わい深い
トゴットメバルのアクアパッツァ
ずいぶんと長い間、この『BoatCLUB』で料理を紹介してきましたが、今までアクアパッツァは一度も作ったことがないハズ。実は、この料理はあまり好きではなかった。主役になる魚の味よりも貝類やブイヨンのだしが勝ってしまうからだ。でもそれは間違いだと知った。
よく目にする貝類がふんだんに入った豪華なモノはアクアパッツァではなくて、ペシェ・アッラックア・パッツァという名前だとか。イタリア料理でアクアパッツァといえば、素朴な魚の水煮を指すそうだ。昔、漁師が売れ残った魚で作った漁師飯が起源なのか。そうか、それならば作ってみようかとチャレンジしてみた。やはり、尾頭付きで盛り付けると映えますナ。そのうえ、切り身よりも圧倒的にだしの出方が違う。ミニトマトからもだしは出ていると思うが、ほのかな脂と甘み、トゴットメバル本来の味が際立つ料理となった。肉厚で食い応えも十分である。
【材料】(1~2人分)
●トゴットメバル 1尾 ●塩 適量 ●ニンニク 1片 ●しょうがのみじん切り 小さじ1 ●赤唐辛子 適量 ●イタリアンパセリ 適量 ●オリーブオイル 大さじ1 ●水 1/2カップ ●白ワイン 大さじ2 ●ミニトマト 数個
①まず、トゴットメバルのウロコを頭部や胸ビレの下などの部位もていねいに取る。それから、エラ、内臓を取り、中骨に付いている血合いもキレイに取り去る。軽く水洗いをしてウロコなどを洗い流す。魚体の両側に包丁で切れ目を入れ、軽く水気を拭き取っておく
②あら塩もしくは一般的なサラサラしていないタイプの塩をなすりつけるように魚体全体にまぶす。特に、各ヒレの部分は指で念入りに。そのまま数分間放置し、指でヌメリを取るように水で洗う。ヒレなどにヌメリが残るようならその部分だけ塩と水で再度洗う
③香味野菜を切る。ニンニクは1片を薄くスライスしておく。しょうがはみじん切りを小さじ1杯ぶん。赤唐辛子はホールタイプの場合はタネを取り、皮の半分程度を細かく切り砕く。イタリアンパセリは1 〜2葉を香りを出すために小さくちぎっておく
④フライパンが冷たい状態でオリーブオイル大さじ1を入れてなじませたら、トゴットメバルを盛り付けたときに上になる側(左目側)を下にして置いて火をつけて、中火で焼いて焦げ目が付いたら裏返して、反対側にも焼き色を付ける。中まで火が通っていなくてもよい
⑤中火から弱火にし、ニンニクスライスを入れ、香りが立ったら、ニンニクスライスが焦げる前に取り出す。水1/2カップと白ワイン大さじ2を入れる。このとき、派手に水のはぜる音がする。これがアクアパッツァの名の由来らしい。味付けはいさぎよく塩のみだ
⑥フツフツと沸騰し始めたら、しょうが、ミニトマト、赤唐辛子、イタリアンパセリを入れてフライパンにフタをして10〜15分火を通せば完成。火を止める前に念のため味見をする。もしも、味が薄ければ塩を少量追加してスープをかけ回し味を調えて完成
須藤恭介(すとう・きょうすけ)
愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『ボート倶楽部』の筆者として活躍。40年前に釣り雑誌で連載を始めて以降、さまざまなジャンルの釣りに親しむ。過去にいくつかの飲食店で働いた経験をもとに、釣果料理のノウハウも紹介している。
※本レシピは月刊『BoatCLUB』2025年4月号「さかな食堂へようこそ」に掲載されたもののダイジェスト版です。最新号もよろしくお願いします!
(文=須藤恭介[Mr.ツリック] 写真=『BoatCLUB』編集部)