太平洋“再”横断中の辛坊さん/現在地はハワイまで1,000km

2021.07.10

出航から17日、まだまだ序盤

一人乗りで大阪~サンディエゴの太平洋横断航海を成功させた辛坊治郎さんは、現地時間6月22日、愛艇〈カオリンV〉(ハルベルグ・ラッシー39)とともに日本に向けてサンディエゴから再び出航した。トップ写真はサンディエゴ滞在時の整備の様子。

出航から17日が経った日本時間7月9日夜時点の位置は、ハワイの東方約1,000km。

往路よりも大きく南側に針路を取っているのは、ハワイに向かっているのではなく、アメリカ西海岸からアジア方面に向かう際に、安定した追い風となる「貿易風」が、より南の緯度帯に吹いているためだ。

ここ1週間は風が弱い日が多く、あまり距離を稼げなかった様子。また、日本の沖縄より南にあたる北緯20度あたりを航行するにあたっては、気温が30度を超え、暑さとの戦いも加わってきた。

 

現在位置は古野電気の辛坊さん応援ウェブサイトで、ほぼリアルタイムで更新されている(PC閲覧推奨)。右端のフラッグは復路スタート地サンディエゴの位置で、そこから左上の航跡は往路の航跡だ。

 

往路出航から3カ月、右腕が……

日本時間7月9日のサポートスタッフとの衛星携帯電話による定期連絡では、「いい天気。すばらしい青空が広がってます。だけど、右腕が肩より上がらないんだよね。ずっと痛い。たぶん嚙まないのが悪いのかなと思って、ビーフジャーキーをずっと噛んでる。そしたら少し良くなった。下半身(の筋肉)も弱ってきているから鍛えるために1日中(船内で)立ってるよ」とコメント。

 

YouTubeチャンネル『辛坊の旅』より。

 

辛坊さんが「噛まない」と言っているのは、往路の出航以来、約3カ月、カロリーメイトやゼリー飲料などの栄養補給食品を食べる機会が圧倒的に多いためだ。そして、歩き回ることがほとんどない船内生活が続くと、足腰が弱ってくるのも当然だ。本当に長い距離を航海した人しか経験しない状態だろう。

今後数日間は天候も安定して、10~20kt(約5~11m/s)程度の風が吹く予報となっている。辛坊さんは、本格的な台風シーズン前の8月中旬から9月上旬の日本到着を目指している。

 

■往路航海の模様

辛坊さんの公式YouTubeチャンネル『辛坊の旅』では、7月4日から、往路航海の模様を毎日動画でアップしている。4月9日の出航以降の様子が1日1本ペースで辛坊さんの「自撮り」で報告されており、太平洋横断を追体験できる、非常に興味深い内容になっている。

 

4月9日から6月17日にかけて行われた往路航海のまとめ。月刊『Kazi』8月号より。禁無断転載。
古野電気のGPSトラッキングデータから算出された往路の航海距離は、6,927マイル(約12,829km)だった。

 

(文=Kazi編集部/中島 淳)

 

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※辛坊さんの往路航海についての詳しい記事は、毎月5日発売の月刊『Kazi』5~8月号に掲載しています。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。

 

辛坊治郎さんの太平洋横断チャレンジを応援しよう!
古野電気の特設ウェブサイト

https://www.furuno.com/special/jp/shinbo-challenge/

 


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