出航から10日、順調な航海
一人乗りで大阪~サンディエゴの太平洋横断航海を成功させた辛坊治郎さんは、現地時間6月22日、日本に向けてサンディエゴから再び出航した。
※トップ写真はサンディエゴのハーバーから出航した辛坊さんと愛艇〈カオリンV〉(ハルベルグ・ラッシー39)。
出航直後に嵐に巻き込まれ、トラブルが頻発した往路とは対照的に、復路は出航10日目まで「順風満帆」といえる航海が続いている。自動操舵装置「ウインドベーン」のネジにゆるみがあってガタつくトラブルがあったものの、早めに発見できたため大事には至らず。
サンディエゴ滞在中に大がかりな修理を行ったシュラウド(マストを横方向に支えるワイヤ)やジブファーラー(前側の帆を巻き取る装置)なども、今のところ問題なく機能している。
現在位置は古野電気の辛坊さん応援ウェブサイトで、ほぼリアルタイムで更新されている(PC閲覧推奨)。右端のフラッグはサンディエゴの位置で、そこから左上の航跡は往路の航跡だ。
復路の出航直後から大きく南側に針路を取っているのは、アメリカ西海岸からアジア方面に向かう際に、安定した追い風となる「貿易風」が、より南の緯度帯に吹いているためだ。
一路ハワイへ!ただし寄港はしない模様
日本時間7月2日のサポートスタッフとの衛星携帯電話による定期連絡では、「無風帯があるという予報だったから全力で西に向かって逃げたけど、無風帯が広がっているみたいで、風がない。けれどここからハワイに近づけば、北東から(吹く)貿易風が必ずある」とコメント。
その後のやりとりでは、貿易風に効率よく乗るためにハワイの北を通るか南を通るかの検討をしており、帰路の出航前には「あるかもしれない」と話していたハワイへの寄港は、緊急避難以外はなさそうだ。
辛坊さんは、8月中旬から9月上旬の到着を目指しており、天候が安定しているうちに少しでも日本への距離を稼いで、台風シーズン前の帰国を目指していると思われる。
■往路航海の模様
4月9日から6月17日にかけて行われた往路航海のまとめ。月刊『Kazi』8月号(7/5発売予定)より。禁無断転載。
古野電気のGPSトラッキングデータから算出された往路の航海距離は、6,927マイル(約12,829km)だった。
(文=Kazi編集部/中島 淳)
※辛坊さんの往路航海についての詳しい記事は、7月5日発売の月刊『Kazi』2021年8月号に掲載予定です。また5~7月号にも関連記事があります。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。
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