出航から24日、ハワイは寄らずに通過
一人乗りで大阪~サンディエゴの太平洋横断航海を成功させた辛坊治郎さんは、現地時間6月22日、愛艇〈カオリンV〉(ハルベルグ・ラッシー39)とともに日本に向けてサンディエゴから再び出航した。トップ写真はサンディエゴ滞在時の整備の様子。
出航から24日が経った日本時間7月16日夜時点の位置は、ハワイ諸島の南西海域。前日にハワイ本島の南、約100~150kmの海域を通過したばかりだ。復路は「無寄港にはこだわっていない。小笠原とか行ってみたいなあ」と話していた辛坊さんだが、航海が順調なためか、ハワイ寄港は検討しなかったようだ。
この1週間は好天下、リーチングで走れることも多く、アジア方面にフネを運んでくれる貿易風帯に乗っている模様。嵐にはならないものの強めの風が吹いており、メインセールのスプレッダーに当たる部分がすれて穴があくなど、小さなトラブルも発生している。
現在位置は古野電気の辛坊さん応援ウェブサイトで、ほぼリアルタイムで更新されている(PC閲覧推奨)。右端のフラッグは復路スタート地サンディエゴの位置で、そこから左上の航跡は往路の航跡だ。
往路とは違ったムードの航海
日本時間7月16日のサポートスタッフとの衛星携帯電話による定期連絡でも元気な声が聞かれた。「昨日から今朝は30kt吹いて、いちばんブロー(強い風)がきているときに大きな波に乗ったらサーフィングして、GPSの読みで12ktでたよ。すごかった」とコメント。
この1週間は好天下、追い風で走れることも多く、辛坊さんにも余裕が感じられる。往路に比べて食料もハイペースで消化している。
航行しているのは、日本の沖縄よりも南の北緯17~20度あたりの海域。辛坊さんは「日中暑いんですが、風がさわやかで、夜になると結構涼しくなります。誰も見ていないので、パンツとTシャツで一日中過ごせるのは快適」とコメントしている。晴天の夜は満点の星空で、月明かりだけでヨットの整備作業ができるほど明るいとのこと。往路とは違ったクルージングを楽しんいるようだ。
今後数日間も、15~27ktの強めの風が吹き続ける予報になっている。辛坊さんは、本格的な台風シーズン前の8月中旬から9月上旬の日本到着を目指している。
■波乱万丈の往路航海を追体験
辛坊さんの公式YouTubeチャンネル『辛坊の旅』では、7月4日から、往路航海の模様を毎日動画でアップしている。4月9日の出航以降の様子が1日1本ペースで辛坊さんの「自撮り」で報告されており、太平洋横断を追体験できる、非常に興味深い内容になっている。
4月9日から6月17日にかけて行われた往路航海のまとめ。月刊『Kazi』8月号より。禁無断転載。
(文=Kazi編集部/中島 淳)
※辛坊さんの往路航海についての詳しい記事は、毎月5日発売の月刊『Kazi』5~8月号に掲載しています。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。
辛坊治郎さんの太平洋横断チャレンジを応援しよう!
古野電気の特設ウェブサイト
https://www.furuno.com/special/jp/shinbo-challenge/
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